『詐欺メール』Vpassから『メールアドレスご変更受付のお知らせ』と、来た件

2025年3月27日

★フィッシング詐欺メール解体新書★

スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。

いつもご覧くださりありがとうございます！

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、偽キャンペーンメールが大量発生中、特にポイント付与メールにご注意ください★

件名の見出しを確認
メールアドレスのドメインを確認
宛名を確認
リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。

1. 前書き
2. メール本文
3. 件名の見出しを確認
4. メールアドレスのドメインを確認
5. 宛名を確認
6. リンク先のドメインを確認
7. まとめ

前書き

皆さん『Vpass(ブイパス)』はご存知ですよね？
Vpassは、VJAグループ各社が発行するVisaカードやMastercardカードの会員が利用できるカード情報の照会や各種申し込みなどのサービスを提供する会員専用WEBサービスです。
ご多分に漏れず、このVpassも悪い輩の標的にされることが多くあります。
今回は、そんな『Vpass』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。

以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。

メール本文

ここから本文
↓↓↓↓↓↓

件名：[spam] メールアドレスご変更受付のお知らせ
送信者："vpass" <user.vpass-hdpcjsoz@llrlj.cn>

平素は弊社カードならびにインターネットサービス「Vpass」を
ご愛用いただき、厚く御礼申し上げます。

この度、「Vpass」にてメールアドレスの変更手続きを受け付けましたので、
本メールにてご案内いたします。

今後とも「Vpass」のご利用をよろしくお願いいたします。

※セキュリティ保護のため、新しいメールアドレスへの変更は
2025年03月28日に有効となります。
それまでの間、ネットショッピング決済時の認証コードが送信されない、
またはご登録の予備メールアドレスへ送信される場合がございますので、
あらかじめご了承ください。
※ご変更いただいた内容について、別途確認のご連絡をさせていただくことが
ございます。
※お心当たりのない場合は、以下のリンクよりご確認・変更のお手続きをお願
いいたします。
▼メールアドレス変更の確認・修正はこちら

h**ps://www3.vpass.ne.jp/email/top/index.jsp?cc=xrlmYqbGr9
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
VJAグループ(Vpass)
h**ps://www3.vpass.ne.jp/Login/top/index.jsp?cc=bcs1W2tMygAl

※本メールは送信専用です。
※本メールは「Vpass」にメールアドレスをご登録いただいており、
「Vpass」で各種お申し込みをされた方にお送りしています。

↑↑↑↑↑↑
本文ここまで

このメールは、よくあるクレジットカードや金融機関を騙るものと少し違って、身に覚えのないVpassアカウントのメールアドレス変更を装ってユーザーにメールを送り、不安に思ったユーザーをリンクに誘導して個人情報やクレジットカードの情報を盗み出そうとするもの。
まあ結局はクレジットカードの情報を盗み出すのが目的なので過程が違うだけで結果は同じなのですが…

件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『llrlj.cn』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
末尾が『.cn』なのでこれは中国に与えられた国別ドメインです。
因みにVpassが利用するメールアドレスのドメインは『@vpass.ne.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。

Received: from llrlj.cn (unknown [45.195.8.67])

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
ドメイン『llrlj.cn』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『Grupo』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

この情報が正しければ、このドメインの取得者は、これらの調査では頻繁に見掛ける中国の方です。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、東京都千代田区付近で、最近ちょくちょく見掛る地図です。

宛名を確認

このような大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にVpassからだとすれば、ユーザーの氏名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか？
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。

リンク先のドメインを確認

さて、本文にVpassの公式ドメインを使って直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていて、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://vpass-recordit.ywj80.com/mem/top/index.jsp/?__cf_chl_rt_tk=thN8YDEjBdb.mb3*****】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたVpassのドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。