『詐欺メール』『【督促】税金未納のご通知』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

1年ほど前に『国税庁』や『税務署』に成り済ます怪しいメールが急増したことがあり、この時はしばらくして終息したのですが、またここに来て急増の兆しです。
今回は、そんな国税庁に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
日本の行政機関のひとつを騙るなんてなんとも不届きもの。
さて、そのメールとはどのような内容なのでしょうか?
じっくり見ていくことにしましょう。

 


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【督促】税金未納のご通知
送信者:"e-Tax(国税電子申告・納税システム)" <rwr@tp8894.com>


【重要】未納税金のお知らせ

○◇△

平素より国税行政にご理解ご協力いただき、誠にありがとうございます。

このたび、当庁にて確認いたしましたところ、下記の通り、お客様の所得税(または延滞金)について未納税金があることが判明いたしました。

納税確認番号 ****3646
滞納金合計 49,879円
納付期限 2025年3月20日
最終期限 2025年3月22日
※最終期限までに納付が確認できない場合、税法に基づき、お客様の財産(不動産・自動車などの登記登録財産や、給与・預貯金・売掛金などの債権)に対して差押処分を実施せざるを得ない状況となります。

納付手続きは下記のボタンより行うことができます。

納付手続きへ進む

ご注意事項

本通知は国税電子申告・納税システム(e-Tax)に登録されたお客様へ送信しております。
納付方法に関するご不明点は国税庁ホームページをご参照いただくか、下記問い合わせ先までご連絡ください。
【お問い合わせ先】

国税庁ホームページ:
h**ps://www.nta.go.jp/

e-Taxヘルプデスク:
0570-01-5901(平日8:30~20:00)

このメールは国税庁e-Taxシステムより自動送信されています。

© 令和7年 国税庁


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



こういった不審なメールでよく見掛けるのですが、ど初っ端から『平素より国税行政にご理解ご協力いただき、誠にありがとうございます。』って、どうして理解したと分かるのでしょうか?
それに『お客様の所得税(または延滞金)について未納税金があることが判明いたしました』とありますが、国税庁が国民に対して『お客様』なんて言いますか?絶対言いませんよ!
それ以前に国税庁がどうして私のメールアドレスをご存じなのでしょうか?
国からの書類に私のメールアドレスを書いて提出したことなんて記憶にありませんよ!


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『tp8894.com
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに国税庁が利用するメールアドレスのドメインは、本文中のリンクURLにある通り@nta.go.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた国税庁からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。


Received: from mail5.tp8894.com (unknown [176.100.37.251])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
ドメイン『tp8894.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『tp8894.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、ドイツ・バイエルン地方のエステンフェルト付近であることが分かりました。


宛名を確認

このメールの冒頭には『○◇△』と『宛名』が書かれています。
この『○◇△』には受信したメールアドレスのアカウント部(@より前)が記載されていて、受信者の氏名ではありません。
でも仮にもしこれが本当に国税庁からだとすれば、国民の氏名知っているはずですからこのような抽象的な宛名はとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『納付手続きへ進む』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
(実際には白文字で見えていませんが…)
h**ps://support.tp863.com/sign.php?C=19AKYCQ0KFL88&K=3LM7602RP1YRB&M…..】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた国税庁のドメインとは異なるものが利用されていますね。

このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

『Registrant Organization』『Super Privacy Service LTD c/o Dynadot』と記載されています。
これは、米国のドメインレジストラ『Dynadot』が提供するドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、Super Privacy Service LTD c/o Dynadotの情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。

割当てているIPアドレスは『166.88.197.6
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、米国のシアトル付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。

へぇ~、PayPay払いオンリーなんですね…(笑)
このQRコードを読み取るとどうなるのでしょうか?
怖くて私にはできません(;^_^A


まとめ

国税庁が、自身のものではないドメインを使ったメールアドレスで、遠くドイツのエステンフェルト付近から国民に督促メールを送り、米国のシアトルに設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;