『詐欺メール』『【重要】国税庁より:消費税還付申請の最終ご案内』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
前回に引き続き今回も『国税庁』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
前回は、E-Tax の個人納税アカウント取得義務を騙ったメールでしたが、今回はどのようなメールなのでしょうか?
では、詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【重要】国税庁より:消費税還付申請の最終ご案内(期限:2025年12月31日)
送信者:"国税庁(e-Tax)" <e-tax-e.mail2CyB@ab.em-net.ne.jp>
平素より国税行政にご協力いただき、誠にありがとうございます。
このたび、令和7年度の税制改正に伴い、過去3年間(令和4年~令和6年)の
クレジットカード決済にかかる消費税の還付申請を受け付けています。
対象となる取引がある方は、専用ウェブサイトにて申請手続きを行ってください。
還付申請の概要
【還付対象期間】 令和4年1月1日(2022年)~令和6年12月31日(2024年)
【申請期限】 令和7年12月31日(2025年)23:59(電子申請締切)
【申請方法】 専用ウェブサイトにアクセスし、画面の指示に従って手続きを進めてください。
【申請URL】h**ps://www2.e-tax.nta.go.jp/Apply-for/tnqqlNjt(SSL/TLS 1.3対応)
※重要な注意事項
還付の対象となるのは、クレジット決済による取引の消費税額です。
申請に必要な情報は、申請画面に表示されます。
過去の取引履歴に基づいて還付額が計算されるため、クレジットカード
の有効期限を更新した場合や、カード番号を変更した場合でも、影響なく申請できます。
虚偽の申請は、5年以下の懲役 または 還付額の3倍相当の罰金の対象となります(刑事罰)。
システムに関するお問い合わせ窓口:0570-000-157(音声認証が必要)
本メールは国税庁の電子申告システム(e-Tax)より送信されています。
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発行元:国税庁
〒100-8978 東京都千代田区霞が関3-1-1
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国税庁Copyright © NATIONAL TAX AGENCY ALL Rights Reserved.
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本文ここまで
今回は、『過去3年間のクレジットカード決済にかかる消費税の還付申請』をネタにリンクに誘い込んで、クレジットカード情報を盗み出そうとするのが目的のようです。
『令和7年度の税制改正』と書かれていますが、本当にそんな改正があったのでしょうか?
ここに書かれている電話番号『0570-000-157』は『JPNUMBER.COM』さんで調べると『電話番号の事業者情報は未登録』とされていました。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『em-net.ne.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに国税庁が利用するメールアドレスのドメインは『@e-tax.nta.go.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた国税庁からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。
Received: from C202503162229652.local (unknown [202.95.7.99])
経験上、ここに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものは全て詐欺メール。
最近このドメインが多く見られます。
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
ドメイン『em-net.ne.jp』に関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は、東京都千代田区のインターネット接続サービス『つなぐネットコミュニケーションズ』さん。
でも割当てているIPアドレスが全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『em-net.ne.jp』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近であることが分かりました。
これもReceivedフィールドに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものの特徴です。
宛名を確認
このような税務に関する大切なメールの冒頭には、通常『○□△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に国税庁からだとすれば、受信者の氏名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に国税庁の公式ドメインを使って直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていて、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://www2.japanaecardse.coop.in/%F0%9D%…..】(あまりに長いので省略しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
やっぱり国税庁のドメインとは異なるものが利用されていますね。
『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。
このドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
『Registrar』には『Dynadot LLC』と記載されています。
これは、米国のドメインレジストラ『Dynadot』が提供するドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、Super Privacy Service LTD c/o Dynadotの情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。
割当てているIPアドレスは『45.153.131.110』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな、香港付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
国税庁のサイトとはURLが全く異なるので、これは偽ページです。
同意ボタンを押しこの先のページへ行くと、以下のように個人情報やクレジットカードの情報を求められ、入力してしまうとそれらの情報は盗み取られ詐欺の被害に遭うことになります。
まとめ
国税庁が、よそのドメインを使ったメールアドレスで、香港から国民にメールを送り、更に香港に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;