『詐欺メール』『【重要】税金未納に関する重要なお知らせ』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

今回は、『国税庁』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

以前からちょくちょく届いていたこの未納納税を騙った詐欺メール。
うちのサイトでもいくつかご紹介したことがありましたが、新たな件名のメールが届いたので、情報のアップデートの意味も込め新たにご紹介していこうと思います。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:【重要】税金未納に関する重要なお知らせ
送信者:"e-Tax(国税電子申告・納税システム)" <zvoiz@tp904.com>


【重要】未納税金のお知らせ
○□△@******.***

この度、お客様の所得税(または延滞金)について、未納の税金があることをお知らせいたします。これまで自主的な納付をお願いしておりましたが、期日までに納付が確認できておりません。

このまま未納の状態が続いた場合、税法に基づき、不動産・自動車などの登記登録財産や、給与・売掛金などの債権に対し差押処分を実施する可能性がございます。

納税確認番号: ****4303

滞納金合計: 49,879円

納付期限: 2025年03月010日

最終期限: 2025年03月12日(支払期日の延長不可)

納付手続きは以下のリンクより行えます。

納付ページへ

※本メールはe-Tax(国税電子申告・納税システム)に登録された方へ送信されています。

※本メールアドレスは送信専用です。ご質問がある場合は、国税庁ウェブサイトをご参照ください。

【公式お問い合わせ先】

国税庁公式サイト: https://www.nta.go.jp/

電話: 03-3581-4161(国税庁代表)

このメールは自動生成されました。このメールに返信しないでください。


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



このメールは、未納の所得税があると偽ってリンクに誘い込んでクレジットカードの情報を盗み出そうとするものです。
まあ、未納税者の事を『お客様』呼ばわりされているって点で国税庁じゃないことが分かります。
でもよく考えてみてください。
会社員や雇われて働いている方は、企業側が給料から差し引いて支払っているはずなのでこのような通知が届くことは考えにくいです。
それに何より国税庁がどうして我々のメールアドレスを知っているのかってことです。
もし本当に我々のメールアドレスを知っていたとしたら、それはどこからか漏洩したものってことになり逆に大問題です。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『tp904.com
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに国税庁が利用するメールアドレスのドメインは、メールのお問合せ先のURLにもあるように@nta.go.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた国税庁からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。


Received: from mail5.tp904.com (vmta5.tp904.com [176.100.39.43])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
ここに記載のドメイン『vmta5.tp904.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、ドイツのバイエルン地方にあるエステンフェルト付近であることが分かりました。


宛名を確認

このような大切なメールの冒頭には『○□△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に『』からだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『納付ページへ』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
h**ps://events.tp8863.com/sign.php
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた国税庁のドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様に『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

割当てているIPアドレスは『166.88.197.6
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、米国のシアトル付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。

公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。

よ~く見てください。
国税庁と書かれているのにブラウザのタブにあるアイコンが『PayPay』になっています。(笑)
それに未納税の支払い方法がPayPayオンリーって、これはいただけませんね。
国民全員がPayPayを使っているとでも思っているのでしょうか?

QRコードをスキャンすると支払いが完了してしまうので絶対にスキャンしてはいけません。
それにしてもこのような支払い方をさせて足が付かないのでしょうか?


まとめ

国税庁が同庁のものではないドメインを使ったメールアドレスで、アドレスを知るはずの無いに私たちにドイツのエステンフェルト付近からメールを送り
米国のシアトル付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;