『詐欺メール』『佐川急便不在通知サービス』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
今回は、『佐川急便』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
昨日『日本郵便』に成りすまし再配達料徴収ネタにするメールをご紹介したばかりでしたが、最近宅配業者を装い荷物の配達が滞っているのでリンクから情報を更新させるふりをして、手数料や再配達料と称しクレジットカードの情報を盗み出そうとする詐欺メールが多発しています。
今回もその類のメールで、今日は佐川急便にも成り済ましてきました!
では、このメールも詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 佐川急便不在通知サービス
送信者: “佐川急便株式会社" <info-nimotsu@sagawa-esp.com>
送信日時:2025年03月08日(土) 05:37:50
平素より佐川急便をご利用いただき、誠にありがとうございます。
本日2025/03/05(水)10:18にお荷物のお届けを試みましたが、ご不在のためお届けできませんでした。
以下のリンクから再配達のご希望日時をご指定ください。
再配達の依頼はこちら
※当日中の再配達受付は18:00までとなります。
■ お荷物情報
輸送サービス名:宅配便
お問い合わせ送り状No.:514630995443
■ 配達担当営業所
和光営業所(営業所番号:7622)
営業所の詳細はこちら
【ご注意】
- 本メールは各種メール通知サービスのお申し込みにより、佐川急便が自動送信しております。
- 送信専用のため、本メールへのご返信には対応しておりません。
- ご登録の住所・メールアドレスの変更や配信停止は、こちらからお手続きください。
【新型コロナウイルス感染症について】
新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に変更されましたが、佐川急便では引き続き非対面での配達(ご希望の場合)を行っております。
※従業員のマスク着用は各自の判断によります。詳細はこちらをご確認ください。
佐川急便株式会社
公式サイトはこちら
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
もっともらしいことが書かれていますが、全部嘘です。
このメール、送信日時が『送信日時 2025年03月08日(土) 05:37:50』ですが、本文中に書いてあるのが『本日2025/03/05(水)10:18』
もう3日も過ぎています(笑)
佐川急便によると、荷物の保管期間は、初回配達日を含む8日間でクール便の場合は初回配達日を含む4日間とされていますが、生鮮食品だったらどうするんでしょうか?(笑)
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『sagawa-esp.com』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに佐川急便が利用するメールアドレスのドメインは『@sagawa-exp.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
このように、本物のドメインによく似たドメインを使って騙そうとする手口のことを『ホモグラフ攻撃』と言い、詐欺サイトのURLでもよく使われています。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。
Received: from onlokzmxvr.com (unknown [191.96.240.145])
あらら、ここにはまた別の『onlokzmxvr.com』なんてドメインが見えてきました。
きっとこれも嘘でしょうけどね。
ほら、お名前ドットコムさんで検索したらすぐに取得できる空きドメインであることが分かりましたよ!
このReceivedフィールド末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
ではこのドメイン『sagawa-esp.com』に関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『sagawa-esp.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。
でも、こんなそっくりなドメインどなたかが取得されているんですね。
って、もしかしてこのドメイン詐欺サイトのものだったりして😅
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近であることが分かりました。
宛名を確認
通常大切なメールの冒頭には『○□△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に佐川急便からだとすれば、受取人の氏名は伝票や送り状で知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の何か所かに付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://www.sagawe-esp.com/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
お気づきでしょうか?
先ほど送信者のメールアドレスに使われていたドメインですよ!
やっぱり詐欺サイトに利用しているドメインなんですね。
改めてこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地はカナダのオンタリオ付近の方です。
割当てているIPアドレスは『5.104.84.17』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、東京都品川区付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
このページ以前にも一度見たことがありますね。
この『日本データ通信協会』さんは確か、総務省の委託を受けて迷惑メール相談センターを行っている団体ですよね。
恐らくこの団体が詐欺サイトへの接続を遮断したんでしょうね。
とりあえずこれで詐欺サイトへの道は立たれているので、このURLで被害を被ることは無さそうで一安心です。
まとめ
佐川急便が、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、香港からユーザーにメールを送り
サイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;