『詐欺メール』『イオンカード次回お支払い金額のご案内』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
今回は、『イオンカード』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
このイオンカードを騙り、偽の利用明細に導きクレジットカードの情報を詐取しようとするフィッシング詐欺メールも多くあります。
今回もそのような内容のメールになります。
いくつかおかしな箇所がありますので一緒に見ていきましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
件名:[spam] イオンカード次回お支払い金額のご案内
送信者:"イオンカード株式会社" <information@emailNaKh.com>
イオンカードをご利用いただきありがとうございます。次回のお支払い金額のお知らせです。
2月28日のお支払い金額
イオンカード
28,730円
利用明細を確認
(アプリで開く)
Web版での確認はこちら
※ ポイントサービスに関するお問い合わせは、カード裏面に記載の連絡先へお問い合わせください。
送信者名には間違いなく『イオンカード株式会社』と社名が書かれてていますよね。
でも皆さん、こんな企業は存在しません。
イオンカードを発行しているのは『イオンフィナンシャルサービス株式会社』が発行しています。
どこをどう間違っても自社名を間違えるなんて部外者しか考えられませんよね。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『emailNaKh.com』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
ドメインに大文字と小文字が混在していますが、ドメインに利用できるのは小文字のみです。
因みに『イオンカード』が利用するメールアドレスのドメインは必ず『@aeon.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。
Received: from C20250222015621.local (unknown [192.253.237.111])
このReceivedフィールドに『C』から始まるローカルドメインが記載されている詐欺メール最近多いですが同一犯でしょうね。
このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
おやおや?
IPアドレス欄には『対応するIPアドレスがありません』とあり、最下段に『No match for “EMAILNAKH.COM".』と書かれていますね。
という事は、もしかしてこのドメイン存在しないかも…
と思って『ムームードメイン』さんで検索をかけてみると。
やっぱり。
このドメインは現在空きドメインで、ムームードメインなら799円で今すぐ取得できるようです。
空きドメインは当然メールの受送信には利用できないので、送信者が使ったとされる『emailNaKh.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近であることが分かりました。
宛名を確認
通常大切なメールの冒頭には『○□△ 様』と言ったように『宛名』が書かれています。
でもこのメールにはその宛名が存在しません。
そりゃそうですよね、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがありません。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのですから。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『利用明細を確認』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://kkk.killeonas.sbs/auth/realms/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた『イオンカード』のドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は東京で、取得を依頼したレジストラは『Atak Domain』です。
次に『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。
割当てているIPアドレスは『185.242.234.79』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、先程とは異なるものの再び香港付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
この先のページで会員情報の更新と称し更に個人情報やクレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。
まとめ
イオンカードを名乗る自社名を間違えている送信者から、同社のドメインではない空ドメインのメールアドレスを使い、香港からメールを送り、これまた香港に建てられたウェブサイトに誘導する。
どう考えてもおかしいですよね。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;