『詐欺メール』『ディオール 公式オンラインブティックでのお買い物をペイディで』と、来た件
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★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
今回は、オンラインショップ向けの後払い決済サービス『ペイディ(Paidy)』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
件名:[spam] ディオール 公式オンラインブティックでのお買い物をペイディで
送信者:"Paidy" <aeon@cneo.jp>
ディオール 公式オンラインブティックでのお買い物をペイディで
こんにちは、ペイディです。今回はペイディからうれしいお知らせです。
フランスのラグジュアリーブランド、ディオール 公式オンラインブティックで、ペイディをご利用いただけるアイテムがさらに広がりました。
最新コレクションからアイコニックなアイテムまで揃うディオールの世界観を公式オンラインブティックでご堪能ください。
*フレグランス&ビューティーのアイテムにおけるお買い物ではペイディをご利用いただけません。予めご了承ください。
DIOR.COMへ
1,500万
ダウンロード突破!
お困りの方はヘルプをご確認ください
ペイディ公式 X (Twitter) はこちら
※このメールはお知らせ専用のアドレスより配信しております。このメールに直接返信してのお問い合わせにはご対応いたしかねますのでご了承ください。
© Paidy Inc.
これは、ディオール 公式オンラインブティックでの利用範囲が広がったことを伝えるメールです。
リンク先は『DIOR.COMへ』と書かれているので、ディオールのオンラインショップに接続されるのでしょうか。
便利になったから早速ディオールに行ってショッピングを、なぁ~んて簡単に行っちゃだめですよ!
これはフィッシング詐欺メールですから。
では、詳しく説明していきますよ!
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『cneo.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
最近このドメインを使った不審なメールが多発しています。
調べるとこのドメインは、誰にも取得されていない空きドメイン。
当然空きドメインを使ってメールの受送信なんて不可能ですから使われたとされるメールアドレスはウソ!
因みに『ペイディ』が利用するメールアドレスのドメインを『Search Labs | AI』で検索してみると
『@paidy.com』と書かれています。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。
Received: from gezhua.asia (unknown [45.195.8.87])
ここには別の『gezhua.asia』なんて怪しいドメインが記載されていますね。
このドメインに割当てているIPアドレスとこのReceivedフィールドに記載されているIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、これが送信者の本当のメールアドレスのドメインだということになります。
では、このドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
この情報が正しければこのドメインの取得者の所在地は、中国の杭州市。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、東京都千代田区付近であることが分かりました。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは『サイバーアタックの攻撃元』とされています。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『DIOR.COMへ』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://paidy.heidissocalledlife.com/Perosnal_memberr/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた『ペイディ』のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様に『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。
次にこのドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
この情報が正しければ『Country:JP』とあるので、このドメインの取得者の所在地は日本。
そして『State:gua chuan shi』とありますが、これはどこでしょうか?
検索してもヒットする地域は分かりませんでした。
割当てているIPアドレスは『43.130.230.103』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな東京都杉並区付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
あれ?接続先は『ディオール』じゃなくて『ペイディ』??
確かリンクボタンには『DIOR.COMへ』と書かれていたはず。
そうです、このメールはフィッシング詐欺メールなのでディオールに繋がっても詐欺師には何の利益もありません。
適当なアカウント情報でログインを試みると、インジケーターがクルクル回ったままのページが開き、これ以上先に進むことはありませんでした。
まとめ
この結果から、このメールの目的はディオールに誘導するのではなく、ペイディのアカウントを詐取しようとするものだったようです。
まあ、これじゃ誰も騙すことはできないでしょうけどね。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;