『詐欺メール』『口座取引制限のお知らせ:Vpass情報の更新が必要です』と、来た件

 


★フィッシング詐欺メール解体新書★

スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

・当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます。

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。

前書き

今回は、『三井住友カード』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
件名の末尾に何やら桁数の多い通し番号の付いたメール、最近ちょくちょく見掛ますね。
11桁もあるので通し番号としてはちと多すぎる気がしますが…

件名:[spam] 「口座取引制限のお知らせ:Vpass情報の更新が必要です◉YI-14592442031
送信者:”三井住友カード” <vpass_Net.Bc2inudukaB2@accounts.nintendo.com>
三井住友カード株式会社
平素より三井住友カードをご利用いただき、誠にありがとうございます。この度、お客様のカードにおいて、通常とは異なる取引が確認されました。例えば、以下のような事象が発生した可能性がございます:
  • 通常のご利用地域とは異なる場所からの取引
  • 高額または短時間での連続取引

お客様の安全を最優先に考え、現在お客様のカードのご利用を一時的に制限しております。

カードの正常なご利用を再開するためには、簡単な認証手続きが必要です。

認証手続きは安全なシステムで行われ、数分程度で完了いたしますので、以下のリンクよりお早めにお手続きください。

今すぐ認証手続きを行う
※認証手続きが完了するまで、カードのご利用が制限される場合がございます。
何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

手続きに関する注意事項
認証手続きには、日頃お使いのモバイル端末をご利用ください。
公共のWi-FiネットワークやVPNのご利用はお控えください。
認証リンクを他者に共有しないようご注意ください。
三井住友カード株式会社
〒135-0061 東京都江東区豊洲2丁目2番31号 SMBC豊洲ビル

お問い合わせはこちら
※本メールの返信用アドレスは配信専用です。

配信停止はこちら

Copyright (C) Sumitomo Mitsui Card Co., Ltd. All rights reserved.

本文の内容は、こういった不審なメールでよく見掛ける『通常とは異なる取引』をネタにしたもの。
これを理由に利用を一時的に制限しているのでリンクへ行き認証手続きを行うよう求めています。
このメールは、カードの利用制限通知するものなのに件名には『口座取引制限のお知らせ』と…
口座取引制限なら三井住友銀行からのはずなのにつじつまが合いませんね。(笑)


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『accounts.nintendo.com
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
このドメインよく見てください。
nintendo』と書かれているのでこのドメインはあの任天堂さんのもの。
どうして三井住友カードのメールで任天堂さんのドメインが使われているのでしょうか?
それはこのメールアドレスが偽装だからです。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。

Received: from C20250214028690.local (unknown [103.45.69.198])

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を導き出してみると、香港付近であることが分かりました。

三井住友カードが香港から任天堂のメールアドレスを使って、カードの利用制限を通知するメールを送るなんて、絶対にあり得ません。


宛名を確認

重要なメールには冒頭に『○□△ 様』と宛名があるはず。
カードの利用制限を通知するこのような重要なメールなら尚更ですが、このメールにはその宛名が何処にもありません。
これは大きなビジネスメールのマナー違反です。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『今すぐ認証手続きを行う』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
h**ps://movevpss-smbc.shop/smbc/co/
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた三井住友カードのドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

申請者の所在地はアメリカのカリフォルニア州。
このIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、先程とは異なるもののこれまた香港の地図が表示されました。

リンクを辿ってみましたが『404 Error: Page not found』と書かれた真っ白なページが開きました。
これはページが存在しないことを示すエラー表示で、偽サイトは既に削除された模様です。
ページタブにファビコンだけ付いているので、恐らく以前は偽サイトが存在していたもののこのサイトを設置しているレンタルサーバーが悪意に気付き、強制的にサイトを削除したものと思われます。

まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;