相変わらず届く『えきねっと』からのメール
今回は、『えきねっと』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。 
件名:[spam] 会員情報更新と退会手続きのご案内 
送信者:"えきねっと" <member@eki-net.com> | 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
会員情報更新と退会手続きのご案内━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025.1.26━ 
「えきねっと」をご利用いただきありがとうございます。重要なご連絡です。システムが大幅に更新され、もし個人情報が未更新のままであれば、今後のサービス利用に大きな影響を与える可能性があります。情報を更新していないお客様は、速やかにログインし、必要な情報を更新してください。
『ログインはこちら』 
h**ps://www.eki-net.com/Personal/member/Login/Login 
情報更新を**01月31日**までに完了してください。期限を過ぎると、アカウントが一時停止され、再開するためには手続きが必要となりますのでご注意ください。 
※このメールは「えきねっと」より自動配信されています。 
返信いただきましても対応致しかねますので、あらかじめご了承ください。 
※本メールは、「えきねっと」重要なお知らせとしてメールの配信を希望されていないお客様にもお送りさせていただきます。 
————————————– 
えきねっとサポートセンター 
受付時間 8時00分~22時00分 
サイト運営・管理 
JR東日本ネットステーション 
————————————– 
発行:株式会社JR東日本ネットステーション 
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-11 アグリスクエア新宿4階 
—————————————- 
Copyright (c) 2025 JR East Net Station Co., Ltd. 
許可なく転載することを禁じます。  | 
 
 
この『退会手続き』をネタにしたえきねっとに成り済ますフィッシング詐欺メールは、ずいぶん以前からあり、その多くは今回のようにシステム更新に伴い会員情報を更新を促し、期限までに更新しないと自動退会処理を行うと言ったものです。 
 
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている 
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 
 
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『eki-net.com』 
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。 
このドメインは、えきねっとさんの公式ドメインですが、このメールは上記の通り不審なもの。 
故にこのメールアドレスは偽装されている可能性が高いと思われます。 
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。 
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。 
| Received: from mail5.participan.shop (unknown [23.94.183.109]) | 
 
 
ほらね! 
ここにはメールアドレスのものとは異なる『mail5.participan.shop』なんてドメインが記載されています。 
ではこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。 
 
割当てているIPアドレスは、Receivedフィールドにあるものと一致したので、この送信者の本当のドメインは『eki-net.com』ではなく『mail5.participan.shop』であると断定できます。 
そしてこのドメインは、『See PrivacyGuardian.org』と言う団体が所持していると書かれています。 
でも本当はこの団体が所持しているのではなく、この団体はドメイン名の登録者情報を非公開にするプライバシー保護サービスを提供していて、顧客の詳細情報を非公開にすることで、個人情報の収集やスパム、その他の不正なアクセスから保護するサービスを提供しています。 
故に、このサービスを利用することで取得者の匿名性が高まるのでサイバー犯罪の温床になるとして問題視されています。 
最後にこのIPアドレスからメールの発信地を導き出してみると、米国のバッファロー付近であることが分かりました。 
 
 
宛名を確認
このメールには、通常冒頭に『○□△ 様』のように付けられる宛名が存在しません。 
これは、このメールの送信者が受信者の氏名を知らないことの裏返し。 
えきねっと利用者は利用にあたってユーザー登録を行っているはずなので、受信者の氏名を知らないはずありませんよね?! 
 
リンク先のドメインを確認
さて、本文にえきねっとの公式ドメインを使った詐欺サイトへのURLが直書きされていますが、当然これもウソ。 
クリックして実際に接続されるURLは以下の通りです。 
【h**ps://ekl-net.vecterdian.shop/update/】 
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります) 
やっぱりえきねっとさんのドメインとは異なるものが利用されていますね。 
先程と同様に『Grupo』さんでこのドメインに関する情報を取得してみます。 
 
あらら、またしても『See PrivacyGuardian.org』によって隠蔽されています。 
相当用心深い詐欺師ですね。 
このIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、香港の九龍地区(Kowloon)付近であることが分かりました。 
 
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。 
 
当然、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。この先のページで会員情報の更新と称し更に個人情報やクレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。  |