サイトアイコン HEARTLAND

『詐欺メール』『【チケットぴあ】クレジットカード本人認証のご案内』と、来た件

アドレス偽装にご注意ください
多分あなたは、このメールに不信感を持ち検索されてここにいらっしゃった方かと思います。
ご心配でご不安したよね?
でもご安心ください、このメールは、詐欺メールですから削除してしまって結構です!
これでほっとされたのなら、お役に立てて何よりです。
このメールについて更にもっと詳しく知りたいと言う奇特な方、恐らく10分以内に読み終われると思いますので、お時間が許しましたら最後まで是非お読みください。

スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。

なぜ本人認証サービス(3Dセキュア2.0)をネタにしたものが多いのか

いつもご覧くださりありがとうございます!

最近、本人認証サービス(3Dセキュア2.0)をネタにリンクへ誘い込むフィッシング詐欺メールが多く見られるようになってきました。
今回ご紹介するのもその中の1つで、チケット販売サイトの『チケットぴあ』を騙ったものです。

どうして最近このように本人認証サービス(3Dセキュア2.0)をネタにしたものが多くなってきたかと言うと、経済産業省から2025年3月を目処に3Dセキュア2.0の導入を義務化することが発表されたからです。
こういった小ネタを拾い集めて常に我々を騙そうと虎視眈々と機会をうかがっています。

このメールの場合、差出人のメールアドレスにあるドメインは”pia.co.jp”とチケットぴあさんが利用するドメインを使っていますが、本文にあるリンク先のドメインはそれとは全く異なるものが使われているので偽サイトであることは明白です。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。

件名は『[spam] 【チケットぴあ】クレジットカード本人認証のご案内』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は『”pia” <info_members@pia.co.jp>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。


ヘッダーソースから導かれた場所はJR神田駅付近

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

Received:『from mail-42www.shop (unknown [202.95.213.50])』

ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。

本当ならここにもメールアドレスと同じドメイン”pia.co.jp”が記載されるはずですが、それとは全く異なる”mail-42www.shop”なんてとても怪しいドメインが記載されていますよね。

末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くしたものがドメインと呼ばれるものです。

Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。

このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すればメールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”pia.co.jp”が差出人本人のものなのかどうかを『Grupo』さんで調べてみます。

これがドメイン”pia.co.jp”の登録情報です。
当然持ち主は『ぴあ株式会社』と書かれています。
これによると”202.214.74.78”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIP”202.95.213.50”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるのでこのメールのドメインは”pia.co.jp”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!

Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報でこれを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を『IP調査兵団』さんで確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)

代表地点として地図に立てられたピンの位置は、JR神田駅付近。
あくまで大雑把な代表地点なのをお忘れなく。
そして送信に利用されたプロバイダーは、日本国内にも拠点を置く『Kvh』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバーを介して届けられたようです。


本物そっくりの詐欺サイト

では引き続き本文。

平素はチケットぴあをご利用いただき、誠にありがとうございます。

チケットぴあではクレジットカードの第三者による不正利用を防止するため、 2024年10月1日(日)より、 カード発行会社の本人認証サービス(3Dセキュア2.0)のご登録が必須となります。

2024年10月1日(火)以降、本人認証サービス(3Dセキュア2.0)未登録のクレジットカードを支払方法に選択された場合は、 お申込みいただけなくなります。また、認証未登録のカードは自動的にアカウントから解除される可能性があり、 ご購入いただいたチケットも自動的にキャンセルされる場合がございます。

お手数をおかけしますが、速やかに本人認証サービスのご登録をお願いいたします。

登録方法については、ご利用のカード発行会社へご確認ください。詳細は以下のページをご参照ください。

本人認証サービス(3Dセキュア2.0)の詳細

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『本人認証サービス(3Dセキュア2.0)の詳細』って書かれたところに付けられていて、
そのリンク先をコンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』で検索するとその危険度はこのように評価されていました。

既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。

このURLで使われているドメインは”pia-members.info
このドメインにまつわる情報を『Grupo』さんで取得してみます。

このドメインは『Super Privacy Service LTD』が取得するように見受けられますが、ここにはトリックが隠されています。
そのトリックとは、この企業はドメイン所有者の個人情報がWHOIS検索で公開されないようにするサービスを行っており、ここに掲載されているのはこの企業の情報でドメインの本当の持ち主の情報ではありません。
特に、詐欺的なウェブサイトがこの会社のプライバシーサービスを利用して、ドメインの所有者情報を隠しているケースが多く指摘されています​。

を割当てているIPアドレスは”172.67.182.109
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を再び『IP調査兵団』さんで確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)

代表地点として地図に立てられたピンの位置は、奥の詐欺サイトが集中するトロント市庁舎付近。
もちろんこちらもあくまで大雑把な代表地点でございます。
利用されているホスティングサービスは『Cloudflare』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

本物そっくりのログインページが開きました。
ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで詐取されることでしょう。


まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;


モバイルバージョンを終了