あらまた、中国のドメイン
いつもご覧いただきありがとうございます!
以下のような『イオンスクエアメンバーニュース』なるメールが
『株式会社イオン銀行』届きました。
いつものように仰々しいものではなく、なんとな~くやんわりした感じのメールですが
差出人のメールアドレスもURLのドメインもイオングループの物とは異なるので詐欺メールです!
多分あなたは、このメールに不信感を持ち検索されてここにいらっしゃった方かと思います。
ご心配でご不安したよね?
でもご安心ください、このメールは、詐欺メールですから削除してしまって結構です!
これでほっとされたのなら、お役に立てて何よりです。
このメールについて更にもっと詳しく知りたいと言う奇特な方、恐らく10分以内に読み終われると思いますので、お時間が許しましたら最後まで是非お読みください。
なんや、まだこんなの送ってきてるのか?
今更誰もだまされんやろうに。
そうよね、でも私たちが見れば一目瞭然だけど
新しくイオンカード会員になった方とかだと
気が付かないかもしれないわよ。
そうか、確かにそうだね。
これじゃこのメール、イオン銀行からなのか
イオンペイからなのか、イオンカードからなのかさっぱり
分からないし…
じゃ知らない方もいるので、その辺を
Heartさんに説明してもらおうか。
そうだよね、新しい会員やご老人の方もいるので
ここでしっかり見分け方を覚えていっていただきましょう。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『[spam] 【お近くのATMでご利用できます!】イオン銀行カードローン』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
近くのATMで利用できるなんて、一般常識的にいちいちこんなこと書かれなくて分かっていますよね!
逆に胡散臭いです。
差出人は『"イオンペイ" <support@service.ip9dovdu.cn>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
『イオンカード 暮らしのマネーサイト』ではこのように、イオンカードから発せられるメールの差メールアドレスについて言及されているページがあります。
『当社からお送りしているメール・SMSについて』
これによるとイオンカードが扱うドメインは全て”aeon.co.jp”
故にこの差出人はイオンカードの関係者ではありません。
米国のサンタクララ付近から発信
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from service.ip9dovdu.cn (unknown [138.128.246.196])』 |
ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くしたものがドメインと呼ばれるものです。
”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
では、メールアドレスにあったドメイン”service.ip9dovdu.cn”が差出人本人のものなのかどうかを『Grupo』さんで調べてみます。
これがドメイン”service.ip9dovdu.cn”の登録情報です。
これによると”138.128.246.196”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
もちろんこのメールの差出人は偽物ですが”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこのメールアドレスは差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。
”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報でこれを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を『IP調査兵団』さんで確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
代表地点として地図に立てられたピンの位置は、米国のサンタクララ付近。
あくまで大雑把な代表地点なのをお忘れなく。
そして送信に利用されたプロバイダーも米国ニューヨークに拠点を置く『Kamatera』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバーを介して届けられたようです。
詐欺サイトは遮断済み
では引き続き本文。
イオンスクエアメンバーニュース
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https://t3.ma2.email.aeon.co.jp/r/?id=t421937c8-5d4a-4d42-bdbe-65876bd45d93,1616ed,28ca8
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後半は、端折ってありますが、このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは本文内にイオンカードの公式ドメイン”aeon.co.jp”を使って書かれていますが、当然これは偽装されていて、そのリンク先をコンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』で検索するとその危険度はこのように評価されていました。
もちろん既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みで。
このURLで使われているドメインは”aeofncmarid-severs.co.jp.delmarortho.com”
このドメインにまつわる情報を『Grupo』さんで取得してみます。
このドメインは、中国山東省の方がご利用中のようです。
割当てているIPアドレスは”43.130.237.159”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を再び『IP調査兵団』さんで確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
代表地点として地図に立てられたピンの位置は、詐欺サイトのメッカである
『日本大学鶴ヶ丘高等学校総合グラウンド 研修館』付近。
こちらもあくまで大雑把な代表地点でございます。
利用されているホスティングサービスは中国の『Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
どうやらアクセス制限されているようで『HTTP ERROR 403』と書かれています。
恐らくこのサイトを設置しているホスティングサービスが危険なサイトだと気付きアクセスできないようにパーミッションを変更したのでしょうね。
まとめ
とりあえずこのサイトでは詐欺サイトの運営はできなくなりましたが、奴らはいくつものサーバーを持っていていつでも移転して再稼働可能ですから安心はできませんよ!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;
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