署名には意味不明の会社名が
いつもご覧いただきありがとうございます!
今日は銀行やクレジットカード系からのメールが多いようで、イオン銀行、エポスカード
マスターカード、三井住友カードなどから続々と届いています。
もちろん全てが偽物によるフィッシング詐欺メールですけどね!(;^_^A
そんな中から今回は『りそな銀行』を装ったものをご紹介していこうと思います。
そのメールがこちらです。
『パスワード等の入力相違が続きましたので…』ってのは詐欺メールでいつも使われている謳い文句。
これは以前からあるどの銀行やカード会社の詐欺メールでも使えるテンプレートです。
このメールの末尾にある署名欄にある企業名は『りそな銀行』ではなく『u5hbuqahyq78n』なんて
意味不明なもの。
当然検索しても全くヒットしない企業名です。(^^;)
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『[spam] 【りそな銀行】【要返信】お客様の口座が凍結されました。』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
もちろん私、『りそな銀行』に口座は持っていませんので全くひるむことはありません!
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
『"株式会社りそな銀行" <Elliott-tamada@smith-of.yxve.com>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
『りそな銀行』のオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが、りそな銀行の公式ドメインは
”resonabank.co.jp”で”smith-of.yxve.com”ではありません。
故にこのメールはりそな銀行からのものではありません。
人里離れた中国の山奥からのメール
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from smith-of.yxve.com (unknown [171.211.34.123])』 |
ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。
”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”smith-of.yxve.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。
これがドメイン”smith-of.yxve.com”を割当てているIPアドレスの情報です。
これによると”3.130.253.23”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIP”171.211.34.123”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”smith-of.yxve.com”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!
”Received”に記載されているIPアドレス”171.211.34.123”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、こんな所に人住んでるのって感じの中国の山奥にある山東省牟平区付近。
そして送信に利用されたプロバイダーも中国の『Chinanet』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
を介して私に届けられたようです。
またしても『トロント市庁舎』付近のウェブサーバー上で
では引き続き本文。
「マイゲート」をご利用いただきましてありがとうございます。
お客さまのWEBサイトのご利用につきまして、パスワード等の入力相違が続きましたので、2024年05月18日に当社サイトのご利用(WEB、スマートフォン共通)を一時制限させていただきました。お客さまにはお手数をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力をお願い申しあげます。本人確認後、制限を解除することができます。
本人確認をご希望の方は、以下のボタンをクリックしてご本人様確認を行ってください。
本人確認
※回答が完了しますと、通常どおりログイン後のお手続きが可能になります。
※一定期間ご確認いただけない場合、口座取引を制限させていただきます。
なお、ご不明な点がある場合は、マイゲートサポートセンターへお問合せください。
マイゲートサポートセンター
0120-017820
平日9時〜21時、土・日・祝日9時〜17時
(1/1日〜3日、および5月3日〜5日を除く)
差出人:りそな銀行
◆このメールアドレスは送信専用です
ご注意事項 ※このメールアドレスは送信専用です。ご返信いただいてもお答えできかねますのでご了承ください。
※掲載内容に関するお問い合わせは開催店舗にて承っております。
※メール配信停止、受信メールアドレスの変更等、登録情報の変更手続きは「マイページ」にログイン後、「メールマガジン変更?解除」よりお手続きください。
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このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『本人確認』って書かれたところに付けられていて、
コンピュータセキュリティブランドの『Norton』の『Nortonセーフウェブレポート』では
このように判定されていました。
既に『フィッシング』サイトとして評価済みですね。
このURLで使われているドメインは”vpe9ja.cn”と、中国のドメイン。
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
このドメインはやはり中国の方が申請取得されているようですね。
割当てているIPアドレスは”172.67.196.202”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、詐欺サイト集中地帯のカナダのトロント市庁舎付近。
利用されているホスティングサービスは『Cloudflare』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
するとこのように『このサイトは安全に接続できません』と書かれたエラーページが開きました。
まあ危険そうなので深追いするのはやめておきましょう。
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |