イオンカードとは思えないメールアドレス いつもご覧いただきありがとうございます! 急に暖かくなったり、急にさくむなったり、三寒四温の春先は体調も崩しやすい季節です。 環境の変化の多い時期ですから体調の管理に気を付けたいものですね。 さて、今朝の話題ですが、突如イオンカードから5000ポイントが付与されたとメールが届いたお話です。 そのメールがこちら。 当然うちのサイトで扱う話題なのでこのメールは詐欺メール。 このポイントキャンペーンは、実際にイオンカード行われている『新規入会・ご利用キャンペーン』で このメールはこれをネタにした便乗詐欺です。 このメールによると、今月末を期限にキャンペーンが行われていて、もれなく1000ポイントが付与され 更に最大4000ポイントが獲得できると言うなんとも大胆なキャンペーンです。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] 【AEON】おめでとうございます、5,000WAON POINTを獲得されました!』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”イオンフィナンシャルサービス株式会社” <support@hbd768.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 イオンカードのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが、イオンカードの公式ドメインは ”hbd768.com”じゃなくて”aeon.co.jp”です。 自社ドメインがあるのにわざわざよそのドメインを使ったメールアドレスで会員に通知を送るなんて 常識的に考えたら絶対にあり得ません。 故にこのメールは悪意を持った詐欺メールであると判断できますね。 台湾の方がお持ちのドメイン では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 では、メールアドレスにあったドメイン”hbd768.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。 これがドメイン”hbd768.com”の登録情報です。 これによるとこのドメインは、台湾の方が申請されていて”23.236.122.211”がこのドメインを割当てている IPアドレス。 もちろんこのメールはイオンカードからではないものの”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので このメールアドレスは差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。 ”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、アメリカのシアトルに近いレドモンドと言う街。 そして送信に利用されたプロバイダーは、アメリカ、中国、香港に拠点を置く『Zenlayer Inc』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 詐欺サイトは一旦閉鎖中か? では引き続き本文。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『■ 詳しくはこちら』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先は、コンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの 『サイトセーフティーセンター』での危険度はこのように評価されていました。 既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”anoe.co.jp.u3985.cn” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 このドメインの申請者は、これらの調査で頻繁に見掛ける中国の方。 一体この方はいくつドメインを持っていらっしゃるのでしょうか?(^^;) 割当てているIPアドレスは”47.91.20.47” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、国内最大の詐欺サイト集中地域の『杉並区立和泉二丁目公園』付近。 利用されているホスティングサービスは、中国に拠点を置く『Alibaba.com LLC』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 詐欺サイトを訪れてみましたが、リダイレクト(自動転送)で”localhost”に転送されて正常にサイトに 接続することはできませんでした。 接続できなかったからと言って安心はできませんよ。 IPアドレスにドメインが紐づけされたままなのでいつまた復活させるか分かりませんから! まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |