詐欺メールテンプレートを使用
いつもご覧いただきありがとうございます!
皆さんはメルカリってよく使われていますか?
私はこういう系からっきしなのでアカウントさえ持っていないのですが、カメラや家電品など
不用品がたくさんあるので機会があれば利用してみたいなとは思います。
そんな便利なメルカリでもご多分に漏れず詐欺メールがの標的とされていて、今日も飽きずに
このようなメールが私の元に届いています。
もう一目で分かりますよね?
そう、差出人のメールアドレスはメルカリさんの物とは全く異なっていてメルカリの『メ』の字も
含まれていません。
更に本文の赤枠で囲った箇所は、他のクレジットカードや金融関係の詐欺メールでもよく使われている
くだりで、この部分はある意味テンプレート化されています。
なんでも3月11日に利用規約の改定があったらしく改定内容をリンクから確認する旨が書かれていて
ページ都合上割愛しましたが、この後にその改定内容がダラダラと記載されています。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『[spam] 各種利用規約改定のお知らせ』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
『"メルカリ" <support@hfd673.com>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
メルカリさんのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが”mercari.com”が
メルカリさんの公式ドメインでこのような数字がちりばめられたドメインでありません。
中国上海市から発信
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from mail.hfd673.com (unknown [106.75.154.199])』 |
ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。
”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
では、メールアドレスにあったドメイン”hfd673.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。
これがドメイン”hfd673.com”の登録情報です。
これによるとこのドメインは台湾から申請されており”106.75.154.199”がこのドメインを
割当てているIPアドレス。
もちろんこのドメインはメルカリさんのものではないものの”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので
このメールアドレスは、差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。
”Received”に記載されているIPアドレス”106.75.154.199”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は『中国 上海市 楊浦区』付近。
そして送信に利用されたプロバイダーも中国の『Ucloud』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
を介して私に届けられたようです。
エジプトの方が申請したドメインでリンク先を運営
では引き続き本文。
いつもメルカリ、メルペイをご利用いただきありがとうございます。
2024年3月11日 (月) 付でメルペイ利用規約、メルカード利用規約、およびメルペイスマートマネー利用規約を改定いたしました。
最近行われましたプライバシ-ボリシ-の改定に伴いまして、こ確認のお手続きは、一回限りで、数分で終了致します。
この確認は義務付けられており、確認していただけない埸合は、アカウントが停止される場合もあります。
お客様にはご迷惑、ご心配をお掛けし、誠に申し訳ございません。
何卒ご理解いただきたくお願い申しあげます。
改定内容については、以下の情報をご確認ください。
────────────
◼改定された利用規約等
→メルペイ利用規約
→メルカード利用規約
→メルペイスマートマネー利用規約 |
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、赤文字にした3箇所に付けられていて、
そのリンク先は、コンピュータセキュリティブランドの『Norton』の『Nortonセーフウェブレポート』では
このように判定されていました。
はっきり『危険』とは評価されていなく『注意』と書かれていますね。
危険なサイトであるはずなのにまだ評価の対象にされていないのでしょうか?
このURLで使われているドメインは”www.mototohome.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
エジプトのtosdoaから申請されているこのドメインを割当てているIPアドレスは”47.245.11.114”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、サイバー犯罪の拠点がある『杉並区立和泉二丁目公園』付近。
利用されているホスティングサービスは、中国の『Alibaba Cloud LLC』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
『Nortonセーフウェブレポート』での危険度評価からすると、リンク先の詐欺サイトは、どこからも
ブロックされることなく無防備な状態で放置されていると思われます。
そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。
するとリダイレクト(自動転送)されて”localhost”に接続されました。
この”localhost”とは、ネットワーク上で自分自身を示します。
自分自身はすなわちこのサイトを見ているデバイスです。
そのようなところにウェブページなんて存在しないのでこのようにエラーが返されるわけです。
これで『Nortonセーフウェブレポート』での危険度評価があのような中途半端なものになっていたんですね!
まとめ
このリダイレクトの設定が外されなければリンク先で騙されることはありませんが
いつ何時詐欺師の気が変わってリダイレクトを外しリンクを詐欺サイトに戻すか分からないので
この先も注意が必要ですね。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |