Appleがウーバーイーツにメールのデリバリーを依頼? 最近ウーバーイーツさんのメールアドレスを使ったフィッシング詐欺メールが大量に送信されていて 今朝もこのようにウーバーイーツさんのメールアドレスからApple社を騙るメールが届きました。 このメール、AppleID作成時に登録したメールアドレスに届いたものではないためすぐにApple社からの メールではないことに気付いたのですが、国内にたくさんいるAppleユーザーの中にはこのようなメールに 騙されてしまう方もいらっしゃることでしょうね。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] Apple お客様のアカウント認証に関する重要なお知らせ』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”ID Apple” <K-ota@uber.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 先にも書きましたが”uber.com”はウーバーイーツさんのメール煽レスで使われるドメインです。 まさか、IT企業のAppleさんがウーバーイーツさんにメールのデリバリーを依頼するなんて 考えられませんよね?(笑) ソフトバンクのドメインまで?! では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここには”softbank.jp”なんてソフトバンクさんのドメインも記載されていますね。 一体どれが本当なのでしょうか? ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”uber.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。 これがドメイン”uber.com”を割当てているIPアドレスの情報です。 これによると”34.98.127.226”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来このIPは”Received”のIP”113.196.110.137”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので このメールのドメインは”uber.com”ではありません。 これでアドレスの偽装は確定です! ”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこのメールアドレスはご本人さんのもので 間違いなさそうです。 ”Received”に記載されているIPアドレス”113.196.110.137”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 地図に立てられたピンの位置は、台湾の台北付近。 送信に利用されたのも台北に拠点を置く『New Century InfoComm Tech. Co., Ltd』と言うプロバイダーです。 どうやらこのメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 まとめ Apple社がウーバーイーツのメールアドレスを使い、AppleID登録に利用していないメールアドレス宛に 台北に設置されたメールサーバーを介してメールを送るなんて、そんなこと考えられませんよね。 ってなわけでこのメールは悪意を持って送られてきた詐欺メールなので注意しましょう!! 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |