名古屋住民に東京都水道局から未払い請求が?! 2024年第1発目のエントリーです! 今年は元旦早々北陸地方に大きな地震があり、被災された方々に対してはお見舞い申し上げます。 その時は、当地名古屋でもスマホがけたたましく鳴り響いたのちにかなり長い時間ゆっくりとした 揺れに襲われました。 さて、年末年始休暇中にも相変わらず津波のように詐欺メールは押し寄せており、メールボックスは あふれんばかりとなっていますが、どれもこれも今までにご紹介したものばかりでうんざり… そんな中で今回はこのようなメールをご紹介しようと思います。 これは最近よく届く水道料金の支払い催促を装ったフィッシング詐欺メールです。 ここには『東京水道局』とありますが、これは恐らく『東京都水道局』の間違いではないかと…(;^_^A インフラを主る公共団体が団体名を間違ってメールを送りますかね?(笑) 私、名古屋に住んでいるんですけど、そんな遠いところから延々と水道管引いてますか?(^^;) それに末尾の署名が『水道サービスチーム』ってのも滑稽です(笑) それにしてもクソ長い件名ですね、ここに見られる『%%』は何かの関数でしょうか? では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] 緊急連絡:東京水道局からの水道料金支払い遅延に関する通知%%ご確認ください:東京水道局による未払い水道料金のお知らせ%%重要:東京水道局より未払い水道料金のご案内』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”東京水道局” <********@ubereats.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 『********』部分には、このメールを受け取った私のメールアドレスのアカウント部分が 記載されています。 それに”ubereats.com”というドメインは、出前代行サービスの『ウーバーイーツ』さんのもの。 そんなドメインを水道局が使いますかね? 本当はロシアから では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ”dxdjzyd.top”なんてドメイン見えてきちゃいましたが、ウーバーイーツでも東京都水道局でも ありませんね… ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったウーバーイーツさんのドメイン”ubereats.com”が 本当に差出人本人のものなのかどうかを調べてみます。 これがドメイン”ubereats.com”を割当てているIPアドレスの情報です。 これによると”34.98.127.226”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来このIPは”Received”のIP”89.104.69.109”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので このメールのドメインは”ubereats.com”ではありません。 これでアドレスの偽装は確定です! ”Received”に記載されているIPアドレス”89.104.69.109”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 表示された地図上に立てられたピンの位置は、ロシアのモスクワ周辺。 そして送信に利用されたのもロシアの『Jsc “Ru-Center”』と言うプロバイダーです。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 水道料金の未払いって水道メーターでわかるの? では引き続き本文。 冒頭のあいさつが『お客様,』って、客先の氏名ってるでしょうに… 水道料金の未払いって水道メーターでわかるんでしたっけ?(;^_^A それに『お問い合わせがあれば、ご連絡ください』と書いてあるにも関わらずどこにも連絡先が 記載されていないのはなぜ?(^^;) このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『支払いページ』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での 危険度評価がこちらです。 おやおや? まだあたらしいサイトなのでしょうか?それともトレンドマイクロもお正月休みだからでしょうか? 未評価とされていますね。 早急に評価を変更していただけるように私から変更の申請を行っておきます。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”chengdezpw.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 中国広東省の方が所持するこのドメインを割当てているIPアドレスは”195.211.124.33” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 今度はオランダのアムステルダム付近にピンが立てられました。 利用されているホスティングサービスは『Cgi Global Limited』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 トレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価からすると、リンク先の 詐欺サイトは、どこからもブロックされることなく無防備な状態で放置されていると思われます。 そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。 案の定、詐欺サイトはあっさり開かれました。 先へ進めていくと、最終的には料金の支払いを装いカード情報入力画面が表示されます。 そこを埋めて支払いボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまい多額の被害に遭うことに なりますのでご注意ください。 まとめ 年末年始に放置していたメールボックスを開けてみたら、その中身はとんでもないことになっていました。 相変わらず迷惑メールには困ったものですね。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |