いくらなんでも一晩に7通って 昨夜から今朝にかけて『イオンフィナンシャルサービス』から『11月ご請求額のお知らせ』と言う件名の メールが合計7通。  当然このメールは詐欺メールの一種ですが、1つのメールアカウントに7通も請求案内送られてもね…(;^_^A こんなことしたら余計に怪しまれると思わないのでしょうか? メールの本文はこちらです。  ちょっと待った! 今日は11月15日なんだけどもう11月分の請求って急ぎすぎちゃいませんか? では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] 11月ご請求額のお知らせ』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”イオンフィナンシャルサービス株式会社” <aeoncard1@iydliou.cn>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 私、イオンカードを持っていないので本物のイオンさんからどのようなメールアドレスで届くのか 知りませんが、百歩譲ってもこのような中国の国別ドメインのメールアドレスは使わないと思いますよ。(笑) 送信サーバーはアムステルダムに?! では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from iydliou.cn (unknown [194.87.31.184])』 | ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”iydliou.cn”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。  これがドメイン”iydliou.cn”の登録情報です。 ”Registrant”に書かれているお名前は、詐欺メール調査ではご常連さんです。 これによると”194.87.31.184”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 差出人はイオンではないものの”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこのメールアドレスは ご本人さんのもので間違いなさそうです。 ”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に危険性や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。  このIPアドレスを元に割り出した危険度は『脅威レベル:高』 その詳細は『サイバーアタックの攻撃元』表示とされています。 送信に利用されたのは、ロシアの『Global Internet Solutions LLC』と言うプロバイダーです。 位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを ご承知いただいた上でご覧ください。 代表地点としてピンが立てられたのは、オランダのアムステルダム付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 本物そっくりの詐欺サイト では引き続き本文。 いつもイオンマークのカードをご利用いただき、ありがとうございます。 本メールはWeb明細(環境宣言)にご登録いただいているお客さまにお送りしております。10月のご請求額が確定いたしました。 ━━━━━━━━ お支払いについて ━━━━━━━━ ご利用カード : イオンカードセレクト お支払日 :2023年11月27日 口座残高のご確認・ご入金は、お支払日の前営業日までにお願いいたします。 ご利用明細は、アプリ「イオンウォレット」またはホームページ「暮らしのマネーサイト」へログインいただきご確認ください。 ▼ご請求明細のご確認はこちら https://www.aeon.co.jp/app/ ←リンク偽装されています ※メール作成時点での請求確定額になります。ご利用状況により再度請求額確定メールをお送りする場合がございます。 ※お引落口座の設定が完了していない場合は、月末頃に発送いたしますコンビニの振込用紙でのお支払いをお願いいたします。お引落口座の設定が完了したかご不明な場合は下記よりご確認ください。 https://faq.aeon.co.jp/faq/show/660?site_domain=default ※一部、お引落日が異なるカードがございます。 | あれれ?確か件名には11月の請求って書いてあったと思うんだけどここには10月って書いてありますよね? どちらが正しいのでしょうか? このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは、イオンの公式ドメインを使ったものが本部内に直書きされていますが 当然こんなのは偽装で実際のリン先とは異なるもの。 本当のリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での 危険度評価がこちらです。  既にしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”o8d5a.cn”とイオンには全く関連性の無い数字が含まれたもの。 このドメインにまつわる情報を取得してみます。  またこの方の持ち物でした。(^^;) このドメインを割当てているIPアドレスは”172.67.140.222” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。  利用されているホスティングサービスは『Cloudflare』 こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 今度ピンが立てられたのは、カナダの『トロント市庁舎』付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。  すると本物そっくりのログインページが開きました。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ 一晩で同じメールアドレスに7通も送ったらそりゃ不審に思われるでしょう? この差出人ってそう思わないのでしょうかね? でも恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |