持ってないカードばかりからくるメール これまた持ち合わせの無いカード会社から10月分の請求に関するメールが届きました。  差出人として書かれているのは、SMBCグループの『セディナ』と称されています。 こんな詐欺メールにごたごた言ってても仕方ないので、ちゃっちゃと先へ進めてまいります。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] 10月度ご請求額のお知らせ【Cedyna】』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『SMBCファイナンスサービス株式会社 <cedyna1@fhnnimx.cn>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 『セディナカード』のウェブサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが、”fhnnimx.cn”なんて 中国のドメインではありません、ちゃんとこのように”cedyna.co.jp“と日本の国別ドメインのもの が使われています。 ドメインはあの方の持ち物 では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from fhnnimx.cn (unknown [95.215.108.77])』 | ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 では、メールアドレスにあったドメイン”fhnnimx.cn”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。  これがドメイン”fhnnimx.cn”の登録情報です。 最近の詐欺メールで目につくのは、この管理者名。 恐らく中国の方と思われますが、一体どれだけのドメインをお持ちなのでしょうか? これによると”95.215.108.77”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 ”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこのメールアドレスはご本人さんのもので 間違いなさそうです。 ”Received”に記載されている末尾の”95.215.108.77”は、そのサーバーのIPアドレスになり これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に危険性や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。  先程出てきた中国人であろうドメインの持ち主の方、最近ここのサーバーがお気に入りなようです。 代表地点としてピンが立てられたのは、ロシアの『サンクトペテルブルク』付近です。 送信に利用されたのは、ロシアの『Global Internet Solutions LLC』と言うプロバイダーです。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 このIPアドレスを元に割り出した危険度は『脅威レベル:高』 その詳細は『サイバーアタックの攻撃元』表示とされています。 セディナの正規ドメインかと思えば… では引き続き本文。 アプリ、WEBからご請求額の確認ができます! ※毎月11日21時より確認可能です。 ◆──────────────────◆ Cedyna Mail Magazine[2023.10.14] ◆──────────────────◆ いつも当社のクレジットカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。 ▼ご請求額の確認はこちら https://click.mail.cedyna.co.jp/?qs=49c209508a813af778a049bda6f76579fb1c3542b1964b7c835dc318191115869248616af999042992465c2412d70189517acca6fddd31b2 ※12日の11時から13時頃はアクセスが集中いたします。 上記時間帯を避けるとスムーズにご確認いただけます。 ───────── アプリから確認 ───────── 「セディナアプリ」ならご請求額がひと目でご確認いただけます。 ▽「セディナアプリ」のダウンロードはこちら https://click.mail.cedyna.co.jp/?qs=49c209508a813af778a049bda6f76579fb1c3542b1964b7c835dc318191115869248616af999042992465c2412d70189517acca6fddd31b2 ※すでにダウンロードがお済みの方は「セディナアプリ」を起動してご確認ください。 ───────── WEBから確認 ───────── https://click.mail.cedyna.co.jp/?qs=674097d9fc1e2b091165f88ea9ea4ac3b0bdd4880b8037a3c505cb285998118f0ebe232ba952584951e69decaf92675a864c57f2baa016d9 「セディナビ」にログイン>「ご利用明細」>「ご利用代金明細照会」 ——————————————————————— お支払いは毎月27日、金融機関休業日の場合は翌営業日 ※お支払い口座へのご入金は、金融機関の前日営業日までにお願いします。 ——————————————————————— | 用途別に3つのリンクが、URLむき出しで記載されています。 使われているドメインは”cedyna.co.jp”とセディナカードの正規ドメインが使われているように 見えますが、もちろんそんなのは嘘! 試しにクリックしてみると…  愛用のThunderbirdがこのような警告を発しました。 実際のリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価がこちらです。  まだ新しいサイトなのでしょうか、未評価とされています。 危険なので早急に評価を変更していただけるように私から変更の申請を行っておきます。 このURLで使われているドメインは”7116.cn”と数字を使った中国のドメイン。 このドメインにまつわる情報を取得してみます。  今度は、中国杭州市のとある企業の持ち物です。 このドメインを割当てているIPアドレスは”47.236.23.48” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。  利用されているホスティングサービスは中国系の『Alibaba (US) Technology Co., Ltd.』 こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 今度ピンが立てられたのは『シンガポール』付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 トレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価からすると、リンク先の 詐欺サイトは、どこからもブロックされることなく無防備な状態で放置されていると思われます。 そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。  本物そっくりのログインページが開きました。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ この利用金額の確認を促すのは最近の詐欺メールのトレンドです。 このような悪質なメールに騙されないようにご注意ください。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |