セゾンカードがAppleのメールアドレスで??セゾンカードを装った新たな手口の詐欺メールの登場です!  なんでもSMSサービス機能をリセットするとかでセゾンカードが発行するカードの再設定が必要になった と書かれています。 『再設定の手順』のところには『携帯電話番号を再登録してください』とも書いてありますが そんなのカード会社なら把握しているはずなのでいちいちユーザーが行うことではないはずです。 更に言わせてもらうと、再設定の対象となるカードとしてこのように書かれています。 『VISAまたはMastercardブランドのセゾンカードが発行するカード』 これ引っかかりますよね? カードを発行しているのは『セゾンカード』ではなく『株式会社 クレディセゾン』です。 ま、そんなことは良いとして、いつものようにこのメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] セゾンカードのSMSサービス機能の重要な変更通知』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”セゾンカード” <thanks-saison@me.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 残念ながらここで使われているドメイン”me.com”は、クレディセゾンさんの持ち物ではなく Appleの持ち物。 それが証拠にブラウザのアドレスバーにこのドメインをコピペしてEnterを押すとAppleサイトに 接続されます。
送信元サーバーはウクライナのキーウに?!では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from canipe43.rosaria79.example.com (unknown [95.85.72.91]』 |
なんだか全然関係のないドメインが記載されていますね。 どちらにしてもメールアドレスがAppleのものなのでアドレス偽装は確定です。 これは特定電子メール法違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字”95.85.72.91”は、そのサーバーのIPアドレスになります。 これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。  おっと、開いた地図は現在戦火にさらされているウクライナの『キーウ』 戦争のさなかこんなメール書いてる場合じゃないでしょうに… 送信に利用されたのは、ロシアのルクセンブルクにある『G-Core Labs S.A』と言うプロバイダーです。 このメールはキーウに設置された『G-Core Labs S.A』のメールサーバーから送られてきたようです。
サイトは一時的に削除か?!では引き続き本文。 重要なお知らせ いつもセゾンカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。クレジットカードのSMSサービス機能のリセット。当社ショートメッセージサービスシステム基盤の変更に伴い、SMS(ショートメッセージサービス)に設定いただいているセゾンカードが発行するカードの再設定が必要となります。 再設定期間および再設定対象のカードは以下の通りでございます。 再設定を行っていただかない場合、SAISONが発行するカードでいただくことができなくなります。 再設定の対象となるカード VISAまたはMastercardブランドのセゾンカードが発行するカード。 ▼再設定の手順▼ Netアンサーにログインして、携帯電話番号を再登録してください 以上 2023年9月16日株式会社クレディセゾン(英文社名Credit Saison Co.,Ltd.) |
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『Netアンサーにログインして、携帯電話番号を再登録してください』って 書かれたところに付けられていて、 そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での 危険度評価がこちらです。  おやおや、このような評価なのはいただけませんがどうしてなのでしょうか? ちょっとだけリンク先を覗いてみることに…  なるほど、そういうことか。 既にサイトは削除されてしまっているのでこのような評価なのですね。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”salsom.salsenorg.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  おっと、珍しく所有者の詳しい住所や氏名までしっかり明記されていますね。(;^_^A このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.53.236” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。  利用されているホスティングサービスは『Cloudflare』 こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 今度ピンが立てられたのは、カナダの『トロント市庁舎』付近。 最近は、この地図ばかり見ているような気がします。 ここには最近できた詐欺サイトマンションがあるようですね。
まとめ削除されたとは言え、サイトのドメインはIPアドレスが割り当てられたままなのでいつでも 復活可能な状態であることは否めませんから今後も注意が必要です。。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |