『詐欺メール』りそな銀行から『【緊急】当社サイトご利用制限のお知らせ』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

このドメイン『りそな銀行』のものじゃないです！

『りそな銀行』を騙って残念なメールが届きました。

最近よくあるパスワードの入力間違いが続いたからアカウントを凍結した旨のテンプレートを
使った詐欺メールですね。

何が残念かと言うと、送信者名にある『りそな銀行』の『銀』の文字が当用漢字には存在しないこのような
漢字が使われています。

これってもしかして中国の漢字じゃないの？(;^_^A

そして更に、差出人のメールアドレスにあるドメイン”resona.co.jp”は、りそな銀行っぽいのですが
実はこれ、全然別の『株式会社 レゾナ』って企業さんのもの。

読みも『りそな』じゃなくて『れぞな』だそうです。(笑)

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] 【緊急】当社サイトご利用制限のお知らせ』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”りそな銀行” <contact@resona.co.jp>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

先に書いた通りこのドメインは『株式会社 レゾナ』って企業さんのものです。
せっかく詐欺メール作るならちゃんと調べてから作った方が良いですよ！

マンハッタンにあるサーバーを通過

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

この”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーに割当てられたもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

既にこのメールは、アドレスのドメインがりそな銀行さんのものではないので詐欺メール確定。
じゃ誰がどこからこのようなメールを送ってきたのでしょうか？

”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字”38.48.121.245”は、そのサーバーのIPアドレスになります。
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

送信に利用されたのは、香港の『Think Huge Ltd』と言うプロバイダーです。

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、ニューヨーク市の中心街『マンハッタン』付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

リンク先は『403Forbidden』

では引き続き本文。

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『本人確認を』って書かれたところに付けられていて、
リンク先の『Nortonセーフウェブレポート』での判定はこのようにレポートされていました。

『疑わしい』と書かれていますね。

このURLで使われているドメインは”beladysoy36.top”

このドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”137.220.234.85”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているホスティングサービスは、シンガポールにある『Rackip Consultancy Pte. LTD』

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
今度ピンが立てられたのは、日本武道館に程近い『東京都千代田区九段南』付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

リンク先サイトに行ってきましたが、残念ながらサイトは閲覧不可とされていました。

『403Forbidden』ってことなので、サーバー管理者が意図的に接続できないように対策を施したようです。

まとめ

リンク先サイトはこのような状態なので、このサーバーでこのドメインを利用した活動は
もうできないでしょう。
でも奴らは世界各国に様々なサーバーを持っているので安心はできません。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;