From me to me「自分」から「自分」宛にPayPayに関するメールが送られてきましたがこれはどういうことでしょうか? 
差出人も宛先も「自分」と書かれておりメールアドレスも私のものが書かれています。 明らかにおかしなメールですよね? そういえば先日の楽天カードの名を騙る詐欺メールも同じように自分から自分宛でしたね。 『詐欺メール』「【重要なお知らせ】楽天カード情報更新のお知らせ」と、来た件
本文もその時のように、難しいカタカナ言葉が多用され最終的には司法当局に連絡するようなことも 書かれています。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] PayPay関するお知らせ」 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は「自分」となっています。 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。
何らかの理由でメールアドレスを隠しているでは、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「***@*****.***」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここはも私の メールアドレスが書かれています。 | Message-ID:「a2a97eb59b754e49f7d9fbf8bd098738@101.36.105.155」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from 10-40-106-254.localdomain (unknown [101.36.105.155])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
”Received”に”localdomain”と書かれているので、この差出人はどうやらレンタルされた サーバーを利用したものではなく、自前のサーバーからこのメールを送ってきたようです。 差出人のメールアドレスは私のものになっているので、明らかに自分のメールアドレスを隠しています。 これは、特定電子メール法違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、”Received”にあったIPアドレス”101.36.105.155”について調べてみます。 
利用されたプロバイダーは「Ucloud Information Technology (Hk)」で中国系のプロバイダーです。 右にある地図ですが、これはIPアドレスのおおよその利用地。 IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。 代表地点としてピンが立てられたのは、東京都杉並区和泉付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
リンク先は閉鎖中では引き続き本文。 PayPayより アカウントには複数のリモートログイン操作レコードがあり、システムはこのアカウントが盗まれた疑いがあります。このアカウントは現在ブロックされています。システムは近い将来このアカウントを削除し、違反記録を司法当局に提出します。 アカウントのロックを解除するには、アカウント情報を時間内に送信してください。 PayPay検証関連情報 ※お客様のセキュリティは弊社にとって非常に重要なものでこさいます。ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。 。 ※配信元情報 PayPay株式会社 東京都港区虎ノ門4−1−1 神谷町トラストタワー |
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「PayPay検証関連情報」って書かれたところに張られていて、リンク先の URLとトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」での危険度評価がこちらです。 
おや?まだ「未評価」のようです。 もしかして既に閉鎖されている可能性がありますね。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”paypayflkl.top” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  
申請登録は、私には読むことのできない文字を含む漢字2文字の氏名の方。 このドメインを割当てているIPアドレスは”194.124.216.11” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 
こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 代表地点としてピンが立てられのは、これまた先日の楽天カードを騙るメールと同じで オランダのアムステルダム付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 トレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」での危険度評価からすると、恐らく閉鎖されている と思われるリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 
やはり閉鎖してしまっています。 詐欺サイトは、捜査の手が及ぶのを恐れ、えてして時々姿をくらまします。 こうすることで少しでも捜査の手から逃れようとしているのです。 先程ご覧いただいた通り、IPアドレスとドメインは紐づけされたままなのでサイトは簡単に 復活することが可能な状態です。
まとめもちろん自分から自分へPayPayのメールを送るなんてことはあり得ませんが、だいたい 小難しいカタカナ言葉を酷使するようなメールにロクなメールはありません! でも恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |