先日と同一犯の仕業?今回は、楽天市場を騙るフィッシング詐欺メールをご紹介しようと思います。  このメールってこの時に紹介したメールとよく似ていますね。 『詐欺メール』「【楽天市場】楽天会員規約に基づいてさっそく利用を停止する措置を取った。」と、来た件
少しづつ言葉が変わっていたりしますが、同一犯の仕業なのでしょうか? 相変わらず「請求書の住所情報が期限切れ」と書いてありますね。(笑) では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「【楽天市場】会員支払い情報は期限切れです」 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 珍しく”[spam]”とスパムタンプが付けられていませんね。 でもこのメールは間違いなく詐欺メールです 差出人は 「”楽天市場” <myinfo-rakuten@greenjobstexas.com>」 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 ちょっと待って、「楽天市場」を名乗るならメールアドレスも楽天のもののはず。 でも、ここで使われているのは”greenjobstexas.com”なんて全く関連性の無いもの。 本当に楽天からならドメインは”rakuten.co.jp”となるはず! 正規ドメインが有るのにそれ以外のこのようなでたらめなドメインを使ったメールアドレスで ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。 ま、それ以前にこのメールアドレスだって本当に差出人のものかどうか分かりませんよ! その辺りは次項で検証していくことにします。
やっぱりこのアドレスも偽装では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「myinfo-rakuten@greenjobstexas.com」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「C797BAB6B83200EA2DAB3C6015913018@lcztbjla」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from lcztbjla (unknown [128.1.138.215])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
メールアドレスの@より後半はドメインと呼ばれる部分で、ネットワーク上の機器に割り当てられる インターネット上の住所であるIPアドレスを分かりやすくするために文字を割り振ったもの。 このドメインを調べることで、その持ち主の割出しや割当てているIPアドレスを調べることで、 その利用地なども調べることが可能です。 先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”greenjobstexas.com”について調べてみます。  ”103.72.146.234”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”128.1.138.215”ですから全く異なります。 これでアドレス偽装は確定。 この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね! 「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received” これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 ”Received”のIPアドレス”128.1.138.215”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。 ピンが立てられたのは、「香港」付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
「尊敬する楽天会員」って、日本人が使います?では引き続き本文。 尊敬する楽天会員。 楽天市場に予約した請求書の住所情報が期限切れです。クレジットカードの所有者であることを確認できず、発送住所が正しいかどうかも確認できません。楽天市場にログインして支払い情報と住所を更新してください。 今アカウントを確認できます。 確認 注意!私たちがあなたの情報を確認するまで、あなたは私たちのサイトで買い物をすることはできません。できるだけ早くあなたの情報を更新してください。情報を更新した後、私たちはあなたのアカウントの使用を再開します ———————————————————————- ※本メールは楽天市場から自動的に送信されています。 ※本メールに心当たりがない方は、お手数ですがお問い合わせ先まで ご連絡いただきますよう、お願い申しあげます。 ※本メールへの返信は受付いたしておりません。 ———————————————————————- どうぞよろしくお願いいたします。 |
原文をそのまま貼り付けているので、文字化け等ありましたらご容赦ください。 冒頭の「尊敬する楽天会員」って、日本人がこのような冒頭の挨拶をするでしょうか? しませんよね…(笑) このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「確認」って書かれた黄色いボタンに張られていて、リンク先の URLがこちらです。  これまた楽天さんには全く関連性の無いドメインのURLですね。 このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。  おっと、まだ「未評価」のようです。 このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。 評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www.ajconstructioncorp.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  最近ほんと申請者の情報は、非公開が多くなりましたね。 申請がシンガポールから行われたこと以外全く分かりませんね… このドメインを割当てているIPアドレスは”204.152.210.213” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 ピンが立てられのは、詐欺サイトのメッカ、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに程近い場所。 フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています! この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 すると真っ先にChromeがブロックしてきました。  気にせず先に進んでみました。 すると当然のように開いたのはこちらの「楽天会員ログイン」と書かれたページです。 もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください! 
まとめ暫く息をひそめていた「楽天グループ」に成りすます詐欺メールがまた少し目に付くように なってきました。 詐欺メールにはそれぞれ波があり、これから少しの間「楽天グループ」に成りすます詐欺メールが トレンドになりそうですね。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |