気色の悪い中華フォントで
アメリカンエキスプレスを騙ったフィッシング詐欺メールが大量発生!
これ、9月16日から5日間に届いたアメリカンエキスプレス名義のメールです。
内容はどれも以前に一度ご紹介したことのある「ご請求金額確定」の連絡です。
その以前にご紹介した際のブログはこちらです。
『詐欺メール』「[AMERICAN EXPRESS] ご請求金額確定のご案内」と、来た件
あれから3か月以上過ぎてからの大量発生なので、一度改めて検証してみようかと思います。
では、一覧の中から、最新のメールを解体し詳しく見ていきましょう!
これがそのメールの中身。
相変わらず気色の悪い中華フォントのYaheiが使われていますから一目でそれと分かります。
バナー画像などのリンクが全部飛んでしまっていて表示されていませんね。
このようないい加減なメールだと信じたくても信じることができなくなりますよ!(笑)
書かれているのは、請求金額が確定したので「オンライン・サービス」にログインして確認するように
促す内容です。
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] [AMERICAN EXPRESS] ご請求金額確定のご案内 2022/9/21 6:34:42」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"American Express" <caxmpufcby@kikou-plan.com>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
「アメリカンエキスプレス」さんには、”americanexpress.com”って正規ドメインをお持ちです。
正規ドメインが有るのにそれ以外のこのようなでたらめなドメインを使ったメールアドレスで
ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。
利用できないドメインからメール送信?!
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「caxmpufcby@kikou-plan.com」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「209CA2E8EDB7B6F2AD7D1C0F98441E60@kikou-plan.com」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from kikou-plan.com (unknown [137.220.181.231])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”kikou-plan.com”について調べてみます。
「対応するIPアドレスがありません」と書かれているので、このドメインは現在利用不可!
使えないドメインでメール受送信はできませんからこれでアドレス偽装は確定。
この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね!
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”137.220.181.231”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、東京都千代田区九段南付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
詐欺サイトは韓国の江南地域にあり!
では引き続き本文。
平素はアメリカン・エキスプレスのカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。
ご請求金額が確定しましたので、「オンライン・サービス」へログインのうえ、ご確認ください。
「口座振替のお知らせ」も合わせてご利用ください。
口座の振替金額と振替日を、振替日の2 – 5日前にEメールでお知らせする便利なサービスです。
この機会にぜひ、ご登録ください。
詳細はこちら |
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンク箇所を青文字にしておきましたが、そのリンク先のURLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
おっと、まだ「未評価」のようです。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”amm.kiichi777.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
申請者は、「お名前.com」
リンク先サイトの運営者は、お名前.comに依頼してこのドメインを取得したようですね。
このドメインを割当てているIPアドレスは”115.144.69.112”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
やはり、このIPアドレスは相当危険なようで、こちらでも脅威レベルは「高」で詳細はWebによる
サイバーアタックと書かれています。
そしてピンが立てられのは、隣国の韓国「江南区」付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
無防備に放置されているであろう詐欺サイトへ安全な方法で調査目的で訪れてみました。
やはり、ウィルスバスターにもChromeにもブロックされることなくすんなり開いたのは、
アメリカンエキスプレスの偽サイト。
普通なら、直接ログインページにリンクさせたくなるところをそうさせないところが憎いですね!
まとめ
まあそれにしても日に3通や4通なんてこの量を送っちゃダメでしょう!
これじゃ詐欺メールじゃなくって迷惑メールの類です…(;^_^A
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |