メールボックスはAmazonで独占
週明け月曜日、私のメールボックスにはAmazonに成りすますフィッシング詐欺メールが15通も。
これは、週末に届いたAmazon絡みのメールを並べてみたもので、どれも見慣れた件名ばかりが並びます。
そんな中、1通だけ見慣れないと言うか読むことのできない件名のメールが1通。
今回はそんな1通をご紹介しようと思います。
そのメールがこちらです。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 异常注文を検出する」
ひとまずこの読めない「异常」をGoogle検索してみることに。
すると…
こりゃ生粋の日本人の私じゃ読めないはず、「异常」は中国語だったんですね…(汗)
じゃ、このメールを作ってるのは中国人って事なのでしょうか?
「异常」の意味は「異常な」だったんですね。(笑)
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"Amazon.co.jp" <amazon-info@jvngkyw.cn>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
ああ、”.cn”って、ここにも中国の香りが…(^^ゞ
「Amazon」さんにはご承知の通り”amazon.co.jp”って正規ドメインをお持ちです。
正規ドメインが有るのにそれ以外のこのような中国のドメインを使ったメールアドレスで
ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。
アドレス偽装は無し
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「amazon-info@jvngkyw.cn」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「20220605030233012744@jvngkyw.cn」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from jvngkyw.cn (unknown [202.61.135.79])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”jvngkyw.cn”について情報を取得してみます。
”202.61.135.79”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”のIPアドレスが”202.61.135.79”と同じですからアドレス偽装はありません。
このドメインの申請者は漢字二文字の氏名の方で、ドメインの申請を中国のIT企業アリババに
依頼していることからもやはり中国の方なのでしょうね。
この中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレスは、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、「東京都千代田区」付近です。
プロバイダー名に書かれているのは中国系の「CTG Server Ltd」
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
詐欺サイトはダラスにあり?!
では引き続き本文。
Amazonプライムをご利用いただきありがとうございます。
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大変お手数ですがサービスの提供元会社に直接お問い合わせください。 |
書かれているのは結局、プライム会費が何らかの原因で支払えなかったのでリンクから支払方法を
更新しろという内容。
ま、Amazonを騙るフィッシング詐欺メールではよく見掛ける本文の内容です。
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「支払方法を更新する」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
おっと、新しい詐欺サイトのようでまだ「未評価」のようです。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、”wtgfec0l.cn”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
先程のメールドメインの方とは異なりますが、こちらも漢字二文字の氏名の方が申請されていて
やはり申請はアリババが代行しているようです。
このドメインを割当てているIPアドレスは”107.174.121.111”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、テキサス州ダラス付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのはもうマジで見飽きたAmazonへのログイン画面。
もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください。
まとめ
このブログを書いている最中もAmazonを騙ったフィッシング詐欺メール更に4通も届いています。
同じような件名ばかりを一人に対していくらなんでも多過ぎでしょ?
既にご紹介したものばかりのなので敢えて再びってのはやめておきますが…
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |