イオンカードがeオリコのパスワードを要求! 「イオンスクエアメンバーニュース」と言う差出人からこのようなメールが届きました。  書いてあるのは、「第三者不正利用」の疑いがあるのでアカウントの使用を制限したとのこと。 ツラツラと読み進めるとこのようなくだりがあります。 「バスワード」として、「ワンタイムバスワード」または「eオリコのログインバスワード」のどちらかをご入力 | あれ?「eオリコ」??? このメールってイオンカードからじゃなかったっけ?(笑) それに「パスワード」じゃなくて「バスワード」って… では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] <緊急通知>aeon card お客様情報の確認」 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「イオンスクエアメンバーニュース <information@ma.email.aeon.co.jp>」 ”aeon.co.jp”は確かに「イオン」の正規ドメインですが、件名の”[spam]”を見せられた後では 全く信じられませんね。 その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。 ほらね、偽装されていますよ では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「information@ma.email.aeon.co.jp」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「20220516133934010845@ma.email.aeon.co.jp」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from ma.email.aeon.co.jp (unknown [118.193.56.190])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 | どうやらあくまでこの差出人は、自分が”aeon.co.jp”と言い張るようですね。 ではまずは、”aeon.co.jp”について情報を取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら 差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり 処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金 さて、どう出るのでしょうか?  ”184.26.117.169”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 ”Received”に書かれているのが”118.193.56.190”ですから全く異なるので、この方はやはり アドレス偽装。 しっかり罪を償っていただきましょう! ”Received”のIPアドレス”118.193.56.190”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  ピンが立てられたのは、タイのバンコック付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 サイトはイオンに全く関連の無いドメイン では引き続き本文。 本文の前半はこのように書かれています。 本メールは重要なお知らせのため、メール配信を希望されていない方にもお送りしております。 当お客様のアカウントが許可されていない第三者によって悪用されていることを検出しました セキュリティ上の理由から、初めてアカウントの使用を制限しました。このメールを受信してから 24時間以内に、以下のリンクをクリックして、個人アカウントの対応する情報をできるだけ 早く確認してください。 ご理解のほどよろしくお願いいたします。 | 「初めてアカウントの使用を制限しました」ってくだりの「初めて」って必要ですかね?(笑) このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは、本文に直書きされていて、リンク先のURLがこちらです。  ”workerspayback.com”なんてイオンに全く関連性の無いドメインです。(;^_^A このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。  おっと、まだ「未評価」のようです。 このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。 一刻も早く評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www-aeon-co-jp.workerspayback.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  持ち主は、中国湖北省の方。 このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.42.87” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  ピンが立てられのは、カナダトロントにある「旧トロント市役所」付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 表示されたのは、イオンカードユーザー専用インターネットサイトのログインページ。 もちろん詐欺サイトですから絶対にログインしないでください。  まとめ カード会社に成りすますフィッシング詐欺メールは、カード会社の数だけあります。 このようにカード会社に限らず金融機関からログインを促すメールの場合は、絶対にリンクから ログインしてはいけません。 必要であれば、スマホアプリか、自身でネット検索して正規サイトからログインするようにしてください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |