Amazon「【確認待】返金処理に関する確認のお願い」は詐欺!本文末尾のダミー文字列とクローキングの新手口を解説

連日、酷暑日一歩手前の猛暑日が続いていますね。東海地方の夏は、北西の伊吹山や西の鈴鹿山地から湿った空気が吹き下りる「フェーン現象」が起きやすい気圧配置になりやすく、北風フェーンや西風フェーンがしばらく頻発しそうです。体温を超えるような暑さの日は、水分補給とあわせて、詐欺メールへの警戒も緩めないようにしたいところです。今回はAmazonを装う返金詐欺メールをご紹介します。
ご覧の通り、このメールはAmazonの公式サービスを装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この記事を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。
それでは、実際に届いたメールの内容から見ていきましょう。
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
アマゾンより送信されたメールです 返金処理に関する確認のお願い いつもアマゾンをご利用いただき、誠にありがとうございます。 お客様のアカウントに関連する最近のご注文について、返金処理の申請が通常とは異なる地域または端末から行われた可能性が確認されました。 アマゾンのセキュリティ基準に基づき、第三者による不正操作の疑いを排除するため、該当する返金処理を一時的に保留させていただいております。 返金手続きを再開するためには、お客様ご自身によるご確認が必要となります。 以下の「返金の確認」ボタンよりサインインいただき、内容に誤りがないかご確認をお願いいたします。 お早めにご対応いただけますと幸いです。ご確認が遅れますと、返金処理によりお時間をいただく場合がございます。 返金の確認 手続き期限:2026年07月25日 何卒よろしくお願い申し上げます。 ---- ※本メールは配信専用アドレスから送信されています。
実際に受信した詐欺メールの画面
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。
💡ここで! 本文末尾の「意味不明な文字列」の正体
このメールの表示方式をHTMLからテキスト表示に切り替えてみると、本文の一番下に、一見すると何の意味も持たない英数字の長い羅列が付け足されていました。これは人間が読むための文章ではなく、メール1通ごとに本文の内容(データの指紋のようなもの)をわずかに変化させるための「かさ増し」用の文字列と考えられます。同じ文面を大量に送りつけていることを迷惑メールフィルターに気づかれにくくする狙いがあります。
メール本文の末尾に付加されていた、無意味な英数字の羅列(赤枠部分)
■ 送信ルート及び偽装判定
送信元IP(Received-SPFヘッダーより特定):
20.42.108.58(helo=kivpbs.com)
回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ:Microsoft Corporation/AS8075(MICROSOFT-CORP-MSN-AS-BLOCK)/利用形式:hosting
所在地:アメリカ バージニア州 ラッパハノック郡 Washington
【偽装判定】:
ヘッダー上のSPF判定は「Pass」ですが、これは正規Amazonのドメインではなく、攻撃者自身が用意した「kivpbs.com」というドメイン自体のSPFレコードが認証に通っているだけです。送信元はマイクロソフトのクラウドサービス(Azure)上に用意された攻撃用インフラであり、Amazon公式サーバーとは一切関係ありません。
■ フィッシングサイト詳細解析(クローキング挙動)
誘導先URL(伏せ字):
hxxps://hyoubio.com/page/tgmjpyalul
回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ:Shenzhen Tencent Computer Systems/AS132203(TENCENT-NET-AP-CN)/利用形式:hosting
※表示上は「東京都渋谷区」となっていますが、AS名がTencent系であることから、この住所表示をそのまま実際の運営拠点と断定することはできません。
【クローキングを確認】:
アクセスすると「サイトへの接続が安全かどうか確認しています」という偽のセキュリティ確認画面が表示され、盾アイコンを複数タップして認証するよう求められます。この認証を完了させると、詐欺サイトではなくYouTubeへ強制的にリダイレクトされました。これは、調査環境やセキュリティスキャナーを判別してすり抜ける「クローキング型フィッシング」の典型的な挙動で、特定の条件(端末の種類、アクセス地域、リファラー情報など)を満たした場合にのみ、本来の詐欺サイトへ誘導される仕組みになっていると考えられます。
アクセス時に表示された、クローキング用の偽セキュリティ確認画面
条件を満たした場合、この先に精巧な偽Amazonログイン画面が表示される可能性が高いと考えられます。「返金の確認」ボタンは絶対にクリックしないでください。
■ 注意点と対処法
- メール内のリンクをクリックしない:誘導先は接続環境によって表示を変える巧妙な仕組みです。
- 返金の確認は公式アプリ・ブックマークから:Amazonアカウントの状況確認は、必ず公式アプリまたはブックマークからアクセスしてください。
- 「宛名がない」メールは要注意:正規のAmazonからの通知には、通常お客様のお名前が記載されます。
- 万が一入力してしまった場合:速やかにAmazonのパスワードを変更し、カード会社にもご連絡ください。
本レポートの結論
「返金保留」という不安を煽る名目に加え、本文末尾のダミー文字列でフィルターをすり抜け、クローキングで調査の目を逃れようとする、手が込んだ詐欺メールでした。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
配色テーマ:Navy
















