Amazon「ご本人確認書類のご提出のお願い」は詐欺!ゼロ幅文字とクローキングで正体を隠す巧妙な手口を解説

HL-META: date=2026-07-22 | brand=Amazon(なりすまし) | sender_geo=日本(大阪/Microsoft Azure) | site_geo=unknown | spf=pass | dkim=unknown | cloaking=yes

今日ご紹介するのは、添付ファイル付きでAmazonを装う詐欺メールです。今回は「見えない文字」と「接続環境による表示の使い分け」という、少し変わった手口が確認できましたので、じっくり解析していきます。

HEARTLAND-LAB SECURITY REPORT

Amazon「ご本人確認書類のご提出のお願い」は詐欺!ゼロ幅文字とクローキングで正体を隠す巧妙な手口を解説

危険度 ★★★★★ (5/5)
件名 [spam]【重要】ご本人確認書類のご提出のお願い
表示名・本文 Amazonを装う(送信者表示「自動配信」)
添付ファイル AMaZON.CO.jp.rndpjv(拡張子不審・未開封)
送信元情報 Microsoft Azure(大阪)上の攻撃者用ドメインから送信
結論 添付ファイルも本文リンクも絶対に開かないでください

本レポートは、実際に受信した不審メールのヘッダー情報および誘導先の通信挙動に基づく技術検証です。

ご覧の通り、このメールはAmazonの公式サービスを装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この記事を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。

それでは、実際に届いたメールの内容から見ていきましょう。

※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。


法令に基づく本人確認書類のご提出について

平素よりアマゾンをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、お客様のアカウントにおきまして、ご本人確認書類の情報に
不備があることを確認いたしました。
関連法令の定めにより、ご本人確認書類の情報が不足している場合、アカ
ウントの一部機能のご利用が制限される可能性がございます。
つきましては、引き続きサービスを正常にご利用いただくため、お手数で
はございますが、2026-07-22までに必要な情報のご登録をお願い申し上
げます。

手続き期限:2026-07-22

今すぐログイン

※本お知らせはAmazon.co.jpの自動送信システムにて発信されております。ご返信によるご質問には対応できませんので、ご容赦くださいませ。
※各種サービスに関するご不明点がございましたら、カスタマーセンターまでお問い合わせください。

実際に受信した詐欺メールの画面。添付ファイルが付いています


テキスト表示に切り替えた際に表示される暗号のようなゼロ幅文字

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。

💡ここで! ゼロ幅文字とは?

画面上には何も表示されないのに、データとしては存在する特殊な文字(ゼロ幅スペースなど)のことです。今回のメール本文には、単語と単語の間にこの見えない文字が大量に埋め込まれていました。人間の目には普通の文章に見えますが、コンピューターが文字列として読み取ると「別の文章」として扱われるため、迷惑メールフィルターの検出や、同じ文面の使い回しを見つける仕組みをすり抜けやすくする狙いがあると考えられます。

■ 送信ルート及び偽装判定

送信元IP(Received-SPFヘッダーより特定):
20.89.225.143(helo=catch.nkrhr.com)

回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ:Microsoft Corporation/AS8075(MICROSOFT-CORP-MSN-AS-BLOCK)/利用形式:hosting
所在地:日本 大阪府大阪市

【偽装判定】:
ヘッダー上のSPF判定は「Pass」ですが、これは正規Amazonのドメインではなく、攻撃者自身が用意した「catch.nkrhr.com」というドメイン自体のSPFレコードが認証に通っているだけです。送信元はマイクロソフトのクラウドサービス(Azure)上に用意された攻撃用インフラであり、Amazon公式サーバーとは一切関係ありません。

💡ここで! SPFが「Pass」でも安心できないの?

SPFは「名乗っているドメインの正規サーバーから送られたか」だけを検証する仕組みです。攻撃者が自分で取得した無関係なドメイン(今回は catch.nkrhr.com)を使えば、そのドメイン自身のSPFは当然「Pass」になります。SPFが通っていても、それだけでは「Amazon本人からのメールである」ことの証明には全くならない点にご注意ください。

■ フィッシングサイト詳細解析(クローキング挙動)

誘導先URL(伏せ字):
hxxps://cn-wendingweb.com/qCrwOswWDe.click

サーバーIP:43.133.30.110

回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ:Aceville Pte.ltd/AS132203(TENCENT-NET-AP-CN)/利用形式:hosting
※表示上は「東京都渋谷区」となっていますが、AS名がTencent系であることから、この住所表示をそのまま実際の運営拠点と断定することはできません。

【接続環境によって表示が変わるクローキングを確認】:
・PCでこのURLへアクセス → 404エラー(何も表示されない)
・スマートフォンで同じURLへアクセス → 「サイトへの接続が安全かどうか確認しています」という偽のセキュリティ確認画面が表示され、盾アイコンをタップして認証を求められる
・認証完了後 → 詐欺サイトではなくYouTubeへ強制的にリダイレクト

これは、調査環境(PCなど)やセキュリティスキャナーを判別してすり抜ける「クローキング型フィッシング」の典型的な挙動です。攻撃者は本来のターゲットであるスマートフォン利用者にだけ、次の段階(実際の情報入力画面)を見せている可能性が高いと考えられます。

スマートフォンでアクセスした際に表示された、クローキング用の偽セキュリティ確認画面

なお、本メールの添付ファイル「AMaZON.CO.jp.rndpjv」は、拡張子が不審なため当サイトでは開封・解析していません。身に覚えのない添付ファイルは絶対に開かないでください。

■ 注意点と対処法

  1. 添付ファイルを開かない:拡張子が不審なファイルは、ウイルス感染のリスクがあります。
  2. 本文中のリンクをクリックしない:アクセス環境によって表示を変える巧妙な誘導です。
  3. 本人確認が必要な場合は公式アプリから:Amazonアカウントの確認は、必ず公式アプリまたはブックマークからアクセスしてください。
  4. 万が一開いてしまった場合:速やかにセキュリティソフトでスキャンし、心当たりのある情報を入力していないか確認してください。

本レポートの結論

「見えない文字」でフィルターをすり抜け、「接続環境の判別」で調査の目を逃れようとする、手が込んだ詐欺メールでした。添付ファイル付きのAmazon系メールは特に警戒が必要です。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。

Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
配色テーマ:Charcoal

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