『詐欺メール』『ETCマイレージサービス仮登録完了』と、来た件


★詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

年末年始で高速道路や有料道路などを使われる方が多くみられると思いますが、そこで多くの方が利用されるのがETCです。
このETCにまつわる怪しく危険なメールも多くありまして、年末だろうが年始だろうが構わず送られてきます。
ETCに関わる多くのメールは「ETC利用照会サービス」を騙って送られてきますが、時折「ETCマイレージサービス」を名乗るもののあります。
今回は、そんな「ETCマイレージサービスと」に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
またリンクのURLは直リンク防止のため文字を一部変更してあります。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] ETCマイレージサービス仮登録完了
送信者:ETC-MEISAI <order.qfblmmzh@vaqk.cn>
送信日時:2025/12/25 13:16


ETCマイレージサービスへの仮登録を受け付けました。
受付日時:2025年12月31日 5時54分

引き続き下記のURLよりお手続きをお願いいたします。
h**ps://www2.smile-etc.jp/NASApp/etcmlg/MlgReq?k=bef9db651524cac51f84832597743e65

受付日を含め7日間以内にお手続きをお願いいたします。
お手続きを行わなかった場合は、再度仮登録が必要となります。

※本メールにお心当たりがない場合は、
お手数ですが、速やかに本メールを削除いただきますようお願いいたします。
※本メールアドレスは配信専用です。
返信いただいても対応はいたしかねますので、
あらかじめご了承ください。

■ETCマイレージサービス事務局
h**ps://www.smile-etc.jp/


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



まず、「ETC利用照会サービス」と「ETCマイレージサービス」の違いについて。
「ETC利用照会サービス」は、ETCカードで利用した高速道路・有料道路の通行記録や料金明細をオンラインで確認できる公式サービスです。
そして「ETCマイレージサービス」は、高速道路・有料道路をETCで利用するとポイントが貯まり、通行料金の支払いに使える日本の公式サービスです。
ETC利用照会サービスとは別のサービスなので、混同しやすい点に注意してください。

で、このメールは、ETCマイレージサービスを名乗っていますが、かなり怪しいので要注意で、フィッシング詐欺の可能性が高いため、URLは絶対に開いてはいけません。
では、その理由を具体的に書いていきます。

  1. 送信者のメールアドレス
    ETC-MEISAI <order.qfblmmzh@vaqk.cn>
    ETCマイレージサービスの正式ドメインは 「@smile-etc.jp」など日本の正規ドメインです。
    vaqk.cn」は中国ドメインなので明らかに不自然でこの時点でアウトです!
  2. 受付日時
    2025年12月31日 5時54分とありますが、このメールが送信されたタイムスタンプは「2025/12/25 13:16」
    もしかしてこの送信者、タイムトラベラーなのでしょうか?(笑)
  3. 不安を煽る文言
    「仮登録」「7日以内」など期限を切って焦らせたり「手続きをしないと無効」と行動を急がせのはフィッシングの典型的な心理誘導です。

件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールのヘッダー情報を確認

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from unknown (HELO vaqk.cn) (101.47.75.75)


Received のカッコ内は、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。

では、このドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

まずIPアドレスが Received のものと一致しているので、アドレスの偽装はありません。

登録者情報
・Registrant: 陈〇吉
・Email: blumhardtlizaoo1817@gmail.com
日本の公的サービスで Gmail登録はあり得ない
実名風だが中国個人名っぽいです。

・Registration Time: 2025-03-28
最近作られたドメインで、フィッシング専用ドメインの典型です。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、香港付近です。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは「サイバーアタックの攻撃元」とされています。

最近この辺りは、怪しいメール発信地のトレンドの1つです。


リンク先のドメインを確認

さて、本文にETCマイレージサービスの公式ドメインを使って直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていてクリックするメールアプリからこのように警告されました。

構わず先に進むと、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://stalact.sxcrcjt.cn/Rfuncc1013000extfunc/】

(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

ご覧の通りETCマイレージサービスのドメインとは異なる中国のものが利用されていますから、このサイトは公式サイトではありません!

先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

IPが「Cloudflare」なのは隠れ蓑
Cloudflare(クラウドフレア)*とは、世界中で使われている CDN(コンテンツ配信ネットワーク)兼 セキュリティサービス を提供するアメリカの企業です。
Cloudflare自体は安全で正規の会社ですが、詐欺サイトにも普通に使われ、詐欺サイトは Cloudflare を使って本当のサーバー所在地を隠すのが定番です。

Domain: sxcrcjt.cn
・登録日: 2025-03-29
・有効期限: 1年
・Registrant: 陈〇吉
・連絡先: Gmailアドレス
個人名+フリーメールのGmailで登録されていますね。
そして意味のないランダム文字列ドメインで登録期間が1年のみは、詐欺ドメインの典型で完全に公式サービスではあり得ない特徴があります。
もちろんETCマイレージとは一切関係なし。

割当てているIPアドレスは「104.21.91.209」
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのは英語でタイムアウトしたことが書かれた真っ白なエラーページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。


まとめ

メールの文面や送信者のメールアドレスとリンク先のドメインが「ETCマイレージサービス」のものと異なるのでこのメールを詐欺メールと判定いたしました。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;