『詐欺メール』ろうきんから『【お取引目的等のご確認のお願い】』と、来た件
★詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます！
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分～10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
以前から金融庁の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」をネタにした金融機関を装う怪しく危険なメールが多くみられますが、今度は「労働金庫」に成りすましてこのようなメールが送られてきました。
今回は、そんな「ろんきん」に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
またリンクのURLは直リンク防止のため文字を一部変更してあります。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名：[spam]【お取引目的等のご確認のお願い】
送信者： “労働金庫" <ldfqyqke@mail20.mydailyjobalert.com>
平素より、労働金庫をご利用いただきありがとうございます。
労働金庫では２０１９年６月より金融庁の 「 マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン 」
に基づき、お客さま情報やお取引の目的等を定期的に確認させていただいております。お客さまにはお手数をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力をお願い申しあげます。
※なお、確認させていただく時期はお客さまごとに異なります。
※２０２５年１２月０１日までに「 お取引目的等の確認 」より、お取引の目的等のご確認をお願いいたします。
▼お取引目的等確認
h**ps://kelvintuer.com/service/confirmation
※確認後、口座の全ての機能が正常にご利用いただけるようになります。
※一定期間内に確認が取れない場合、口座のお取引が制限されます。
お客さまにはお手数をおかけいたしますが、何とぞご理解、ご協力のほどお願いいたします。
————————————————–
お問い合わせは下記まで
労働金庫 ろうきんダイレクトヘルプデスク
フリーダイヤル：０１２‐０１８９‐６０９
————————————————–
差出人：ろうきん全国労働金庫協会
このメールアドレスは送信専用です
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
ここに書かれている通り、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」は、2019年6月に改訂されましたが、金融庁は、所管する金融機関に対し、2024年3月までにガイドラインで求めている対応について態勢整備が完了するよう要請していますので既にこの件については多くの金融機関で対応済みのはずで、当然労働金庫でも対応済みのはず。
このような過去のネタを使って騙そうとするのは多くの詐欺メールで見られます。
このメールが届いたのが昨日の11月30日ですが、よしんばこのメールが労働金庫からだとしても確認期限が12月1日であまりにも期限が短すぎます。
こういった急かす文面は、焦らせて不正な操作をさせる詐欺メールの典型手口です。
それに署名欄のフリーダイヤルの電話番号は、不自然な箇所にハイフンが入れられています。
更にこの電話番号は、静岡ろうきんのろうきんダイレクトヘルプデスクの電話番号です。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「mail20.mydailyjobalert.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに労働金庫が利用するメールアドレスのドメインは「rokkin.or.jp」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from mail20.mydailyjobalert.com (220.172.101.34.bc.googleusercontent.com [34.101.172.220])
Received のカッコ内は、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
よく見ると、カッコ内に「bc.googleusercontent.com」と記載がありますよね。
これは Google が管理しているドメインで、Googleが提供するクラウドコンピューティングサービスを利用しているユーザーのアクセス元としてログに記録されることがあるドメインの一部です。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用することができる人物であることが分かります。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、インドネシアのジャカルタ付近です。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://kelvintuer.com/service/confirmation】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
ご覧の通り労働金庫のドメインとは異なるものが利用されていますから、このサイトは公式サイトではありません！
このドメインを割当てているIPアドレスを「aWebAnalysis」さんで取得してみます。
割当てているIPアドレスは「34.84.231.139」
「IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな東京都杉並区付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
例によって詐欺サイト独特のデザインを使ったロボットチェックのCAPTUREページです。
このデザインを見掛けたらそれは詐欺サイトへの入り口ですのでご注意ください。
チェックを入れて先に進むと開くのは労働金庫の偽サイト。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにIDや支店番号とパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
不正ログインされると当然資金操作されて詐欺の被害に遭うことになります。
まとめ
メールの文面や送信者のメールアドレスとリンク先のドメインが「労働金庫」のものと異なるのでこのメールを詐欺メールと判定いたしました。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;