『詐欺メール』JCBカードから『【ご利用制限防止】セキュリティ対策更新手続きのご案内』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、偽キャンペーンメールが大量発生中、特にポイント付与メールにご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
セキュリティアップデートをネタにし様々なクレジットカード会社を騙る怪しいメールが横行しています。
これは経済産業省が『2025年3月末までに、原則、全てのEC加盟店にEMV 3-Dセキュアの導入を求める』と打ち出した方針での影響で、各金融機関等がこの3-Dセキュア対応に伴うもので、これに便乗した詐欺まがいのメールが急増したのが原因です。
今回は、そんなネタを餌に『JCBカード』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【ご利用制限防止】セキュリティ対策更新手続きのご案内◉NV-81585111903
送信者: “株式会社ジェーシービー" <myjcb_net-cgRd@ab.em-net.ne.jp>
JCBカード利用継続のための必須セキュリティ認証手続きについて
平素よりJCBカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。
国際的なセキュリティ基準の厳格化に伴い、全JCBカード会員様を対象とした必須セキュリティ認証手続きを実施いたします。
期限:2025-04-16まで
■ 必須実施事項
本人認証(携帯電話番号による認証)
セキュリティコードの再設定
ご利用確認手続き
重要:期限内に手続きが完了されない場合、カードのご利用を一時停止させていただきます。
セキュリティ認証手続きを実施する
JCBお客様相談窓口
TEL:0570-060-123(24時間・年中無休)
公式サイト:https://www.jcb.co.jp/
※本通知はJCBカード会員様への重要なお知らせです。
※本通知に心当たりのない場合は、直ちに上記窓口までご連絡ください。
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本文ここまで
このメールは、セキュリティ認証強化に伴って認証が必要だとしてリンクに誘導し最終的にはクレジットカードの情報を盗み出して詐欺を行おうとするものです。
奴等は、受信者がJCBカード会員であろうが無かろうがお構いなしに、どこかで不正に入手した漏洩メールアドレス宛に無差別でこのようなメールを送り付けてきます。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『em-net.ne.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
このドメインは最近よく使われているドメインで、マンション専用のインターネットサービスプロバイダーの『e-mansion』さんのものです。
もちろん e-mansion さんがJCBカードのメールを代筆するなんてあり得ませんから、偽装されているものと思われます。
因みにJCBカードが利用するメールアドレスのドメインは『jcb.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from C20250414129063.local (unknown [192.253.236.218])
経験上、ここに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものは全て詐欺メール。
最近このドメインが多く見られます。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。
これもReceivedフィールドに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものの特徴です。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは『サイバーアタックの攻撃元』とされています。
宛名を確認
このようなセキュリティに関わる大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にJCBカードからだとすれば、ユーザーの氏名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『セキュリティ認証手続きを実施する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://myjcb-carderco.life/jcb.card/】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたJCBカードのドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
『Registrant Organization』には『Privacy Protect, LLC (PrivacyProtect.org)』と記載されています。
これは、米国のドメインレジストラ『PrivacyProtect.org』が提供するドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、PrivacyProtect.org の情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。
割当てているIPアドレスは『165.154.152.161』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、先程とは異なるものの再び香港付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのは『Dear users, we regret to inform you that our website has officially ceased operations. Thank you for your support and understanding.』とだけ書かれた真っ白なページ。
訳してみると『お客様各位、誠に申し訳ございませんが、当ウェブサイトは正式に運営を停止いたしました。ご理解とご協力に感謝申し上げます』
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。
まとめ
JCBカードが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで香港からユーザーにメールを送り、更に香港付近に設置されたウェブサーバーにあるセキュリティにブロックされるような危険なサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;