【調査】ご注文ありがとうございます – Apple AirPods Pro 3 解析 2026年2月28日
【調査報告】最新の詐欺メール解析レポート
メールの解析結果と対策: 楽天市場を騙る高度な環境判定型フィッシング詐欺
最近のスパム動向
今回ご紹介するのは「楽天市場」を騙るメールですが、その前に最近のスパムの動向を解説します。
2026年現在、スパムメールは単なる情報の窃取だけでなく、セキュリティソフトの自動検知を逃れるための「擬態」が極めて巧妙化しています。
特にApple製品(AirPods Pro 3等)のリリースや大型セール時期に合わせ、受信者の焦りを誘発する「覚えのない注文確認」を送付する手法が急増しています。
メール基本ヘッダー情報
件名
[spam] ご注文ありがとうございます – Apple AirPods Pro 3
件名の見出し
件名に「[spam]」が含まれる理由は、サーバーがSPF/DKIM等の送信ドメイン認証の失敗や、送信元IPの低評価を検知したためです。
送信者
Dandyストア <cjhlvvl@mail7.bayanyeri.com>
受信日時
2026-02-28 7:14
メール本文の解析(再現)
※以下の内容は届いたメールのデザインを忠実に再現していますが、本物の詐欺メールとデザインが異なる場合もあります。リンクは全て物理的に無効化しています。
Rakuten
楽天市場
DANDYストア
ご注文ありがとうございます
Thank you for your order
お客様、
ご注文が確定しました。以下の内容をご確認ください。
注文番号 / ORDER ID
RK-2691411-82212
注文日 / DATE
2026年2月28日
ご注文商品
新品未開封
Apple AirPods Pro 3 MFHP4J/A
カラー:ホワイト / 数量:1
¥38,980
※実際のボタンリンク先:https://rakuten.co.jp.********.net/ (伏せ字を含む)
メールの目的及び解析結果
■ 犯人の目的
本メールの目的は、高額商品の購入確定を偽装してユーザーの不安を煽り、リンク先へ誘導して「楽天ログイン情報」および「クレジットカード決済情報」を窃取することです。
■ 専門的解説と異常点
ロゴやフォントを楽天市場の正規通知に極限まで寄せていますが、決定的な異常点は「送信元アドレス」です。
楽天公式ストアを名乗りつつ、アドレスが `mail7.bayanyeri.com` という全く無関係な海外ドメインになっています。
また、宛名が「お客様」という汎用的な呼びかけになっており、個別のユーザー名を特定できていない点も詐欺の特徴です。
Received(送信者情報)の解析
以下のデータは、このメールを実際に送信したインフラの実体です。
送信ドメイン
mail7.bayanyeri.com
送信元IPアドレス
34.85.58.182
ホスティング社名
Google Cloud (bc.googleusercontent.com)
設置国
Japan (Tokyo)
ドメイン登録日
https://whois.domaintools.com/ 解析の結果、直近で取得されたドメインであり、攻撃用使い捨てインフラと断定されます。
【送信元の信頼性検証(外部参照)】
カッコ内のIPアドレスは信頼できる送信者情報であることを明記し、以下で解析:
https://ip-sc.net/ja/r/34.85.58.182 (回線関連情報)
リンク先サイトの状態と「条件付きリダイレクト」の罠
リンクを押すとなぜだか楽天市場の公式サイトに接続されました。
なぜ、リンクを押しただけで本物の楽天市場に接続されたのか?
これは「環境判定型リダイレクト」と呼ばれる高度な検知回避手法です。犯人のサーバーはアクセスしてきたユーザーが以下の条件に当てはまる場合、**詐欺ページを表示せずに本物のサイトへ転送**します。
セキュリティソフトの調査用ロボットであると判定された場合
ウイルスバスターやGoogle Safebrowsingですでにブラックリスト化された後のアクセス
犯人が意図しない地域(IPアドレス)からのアクセスのケース
結論: 本物が開いたからといって「安全なメール」だったわけではありません。犯人が「今はこの相手を騙せない」と判断して逃げた跡なのです。
解析ドメインIP
104.21.31.218
ホスティング
Cloudflare
稼働状況
稼働中(条件により本物へリダイレクト)
【サイト回線関連情報(解析リンク)】
https://ip-sc.net/ja/r/104.21.31.218
危険なポイントと対処法
* 送信元を比較: 本来の楽天メールは `order@mail.rakuten.co.jp` 等から届きます。今回のドメインは完全に偽物です。
* 宛名の確認: 「お客様、」という記載は不自然です。正規の注文確認には必ず登録者のフルネームが入ります。
* 公式サイトでの確認: 不安な場合はメールのリンクを踏まず、検索から公式サイトへ行き「購入履歴」を直接確認してください。
楽天公式サイトによる注意喚起:
【楽天市場】不審なメールへの注意喚起
まとめ
今回の事例は、最新デバイスの注文を装う季節性の高いスパムでした。過去事例と比較しても、デザインの完成度が高く、リンク先が状況に応じて本物に切り替わるなど、極めて悪質な「逃げ道」を確保した攻撃です。
見出しに「[spam]」がある場合は、サーバーが発した最後の警告です。絶対に無視せず、速やかに削除することをお勧めします。
解析協力:セキュリティレポート解析チーム