楽天が私に「急ぎの業務」?こんなおかしなメールが届きました。 「急ぎの業務」があると書かれていますが、内容はそんな件名に全く関係の無いもの。 それにこの文面は今までに何度も見てきた文章です。 件名は 「[spam] [重要なお知らせ]急ぎの業務がありますのでご注意ください。」 ”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは 全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”Rakuten” <no-reply@rakuten.co.jp>」 楽天の正規ドメイン”rakuten.co.jp”が使われているメールアドレスですが、そんなの信用 できません。 偽装に決まっています!
IPアドレスの危険度は「高」では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<arnazon-update@tbvnpmx.cn>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 早速”.cn”なんて中国のドメイン出てきちゃいましたね(笑) 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<20211126072509315741@tbvnpmx.cn>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from ph (unknown [103.41.65.187])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
では、このIPアドレスを使ってそのサーバーの位置情報を拾ってみましょう! 香港と出ました。 もちろん楽天グループが香港からメールを送るなんてことはあり得ないでしょう。 それにこのIPアドレスの危険度は「高」! 脅威の詳細は、Webでのサイバーアタックの攻撃元とされていますのでとても危険な 香りがします。
「Rakutenお客様」続いて本文。 Rakutenお客様 残念ながら、あなたのアカウント を更新できませんでした。これは、カードが期限切れに なったか。 請求先住所が変更されたなど、さまざまな理由で発生する可能性があります。 今アカウントを確認できます。 楽天ログイン なお、24時間以内にご確認がない場合、誠に遺憾ながら、アカウントをロックさせていただく ことを警告いたします。 パスワードを変更した覚えがない場合は、至急(01)-50-5820-6680までお電話ください。 |
何度も何度も見たことのある内容です。 特徴は「Rakutenお客様」って書き出しととってところ。 差出人は、流出したメールアドレスのリストをどこかで入手し、そのアドレス宛に 一斉にメールを送っているので、当然私の名前なんて知りえません。 だから宛名が「Rakutenお客様」なんておかしなものになるのです。 末尾に書かれている「(01)-50-5820-6680」って電話番号は詐欺メールに良く書かれて いるもので、危険ですからいたずらでも絶対にダイヤルしないでください。 「楽天ログイン」と書かれている部分に詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンク先のURLがこちらです。 ”vpass”なんて三井住友カードのユーザー専用サイトの名前が書かれています。(笑) 使われているドメインは”important-rakywrd.com” 持ち主と割当てているIPアドレスを確認してみます。 申請は中国広東省からされています。 割当てられているIPアドレスは”208.64.230.30” メールの”Received”と同様に場所の特定を行ってみます。 おおよそですが「アメリカ カリフォルニア州 ロサンゼルス」が特定されました。 繋いでみると大きな楽天のログイン画面が表示されました。
まとめ「急ぎの業務がありますのでご注意ください」なんて気を引こうと考えたんでしょうけど 楽天がこのような件名でメールを送ってくることに逆に違和感を感じますよね? おかしなメールが多い世の中、十分にお気をつけください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |