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『詐欺メール』『【緊急】未払いの電気料金についてご連絡させていただくものです。』と、来た件

中電エリアの私に東電から未払い請求が
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。

★フィッシング詐欺解体新書★

差出人が『干物市場ドットコム』さん

いつもご覧いただきありがとうございます!

私が住んでいるのは愛知県名古屋市内で、電力供給は中部電力から受けておりますが、時々東電から
このようなメールが届きます。

私んちって、神奈川や静岡を通り過ぎ更には周波数境界の大井川も飛び越えて東京電力から電力の供給を
受けているのでしょうか?
じゃあの中電からの請求は何なのでしょうね…(笑)

当然このメールはフィッシング詐欺メールなので、まあそんなこと詐欺師には全く関係の無いことで
数打ちゃ当たる方式で、どこかで入手したメールリスト宛に無差別にこのメールを送り付けているので
それが北海道だったり沖縄だったりもあり得るわけです。

では、このメールも解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。

件名は『[spam] 【緊急】未払いの電気料金についてご連絡させていただくものです。』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”東京電力” <info@himono1ba.com>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

えっ?あれ?
himono1ba.com”って東電っぽくないですね。
そう思って調べてみるとこのドメイン、これ鳥取県米子にある『干物市場ドットコム』さんのもの
干物屋さんがどうして東電のメールを送ってきているのでしょう?
干物の配送に飽き足らずメールの配信代行まで手を出したとか?(笑)…あり得ない!
じゃ誰がどこからこのメールを送信したのでしょう?
その辺り次の項でしっかり観察してみましょう!


”Received”から色々と…

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

Received:『from mail0.forum-espace-carriere.com (unknown [45.141.136.2])』

あらら?これまた違う”forum-espace-carriere.com”なんてドメインが記載されていますよ。
一体どれが本物なのでしょうか?

ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。

末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。

Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。

このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”himono1ba.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

これがドメイン”himono1ba.com”を割当てているIPアドレスの情報です。
これによると”210.160.220.115”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIP”45.141.136.2”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”himono1ba.com”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!
やはり干物屋さんはメールの代行をしていませんでしたね!(笑)

じゃ”Received”に記載のあった”forum-espace-carriere.com”と言うドメインはどうでしょう?

ほらね!
Received”のIP”45.141.136.2”と合致しました。
ということは、このメールの差出人のドメインは”forum-espace-carriere.com”です。
ウソは付けませんね~(笑)

Received”に記載されているIPアドレス”45.141.136.2”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)

地図に立てられたピンの位置は、韓国のソウル付近。
そして送信に利用されたプロバイダーも露ウルに拠点を置く『MOACK.Co.LTD』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
を介して私に届けられたようです。


詐欺サイトは愛媛で運営

では引き続き本文。

このメールは、未払いの電気料金についてご連絡させていただくものです。お手数ですが、以下の内容をご確認いただき、早急にお支払いいただけますようお願い申し上げます。

お支払い期限: 2024/3/30
お支払いが確認できておりませんので、お早めにお支払いください。

オンラインでのお支払い: 以下のボタンをクリックして、オンラインでお支払いください。
h**ps://addmarine.com

※更新の有効期限は、24時間です。
お支払い前に、添付の請求書をご確認いただき、お支払い金額が正確であることをご確認ください。
既にお支払いいただいた場合は、このお知らせを無視していただいて結構です。ご不明な点やご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。お客様サポートチームがお手伝いいたします。
ご協力とご理解に感謝いたします。早期のお支払いをお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京電力エナジーパートナー株式会社

※直リンク防止のためURLの一部の文字を変更してあります。

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、本文内に直書きされていて
コンピュータセキュリティブランドの『Norton』の『Nortonセーフウェブレポート』では
このように判定されていました。

評価は『注意』でカテゴリは『疑わしい』って微妙ですね…

このURLで使われているドメインは”addmarine.comこのドメインにまつわる情報を取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”45.192.179.58
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)

地図に立てられたピンの位置は、香港の九龍付近
利用されているホスティングサービスは、中国の『Shanghai Ruisu Network Technology』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。


詐欺サイトはどうなってる?

『Norton』の『Nortonセーフウェブレポートでの危険度評価からすると、リンク先の
詐欺サイトは、どこからもブロックされることなく無防備な状態で放置されていると思われます。
そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。

案の定、あっさりと開いたのは電話番号を入力する画面。

電話番号を適当に入力して次に進むと…

左のように使用電力量の明細が表示されました。
そのまま次に進んでみると、右側のようなクレジットカードの入力画面が表示されました。

これを埋めて支払いボタンを押してしまうと、それらの情報は全て詐欺師に流れて
フィッシング詐欺の餌食となります。

この偽サイトだと認証は個人の電話番号でしたが、それって知ってる人も多くあまり考えにくいですよね?
因みに本物のTEPCOへのログインはメールアドレスとパスワードの認証でした。


まとめ

東電エリアの方で毎月ご自身で手続きして使用料金をお支払いになっている方だとついつい騙されそうな
メールでしたね。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;


こういった詐欺まがいのブラッキーなメールは、本文中のリンクをクリックしないことが大切!
そしてOS付随のセキュリティーは充てにせず、必ず自身でセキュリティーソフトを導入し
防御することが大切です。
丸腰の方、躊躇しないで「ポチっ」としてご安全に!(*^^*)

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