『詐欺メール』『荷物の状況を追跡するには,3度目の訪問(最終)の後、配達不能の貨物は荷送人に返送されます。』と、来た件

『詐欺メール』『荷物の状況を追跡するには,3度目の訪問(最終)の後、配達不能の貨物は荷送人に返送されます。』と、来た件

UPSから不在通知が
※ご注意ください!
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし悪意を持ったメールを発見次第
できる限り迅速にをもっとうにご紹介しています。

このようなメールを受け取っても絶対に本文中のリンクをクリックしてはいけません!
リンク先は正規サイトを模した偽のコピーサイトで、フォームにアカウントやクレジットカードの情報を
入力させそれらの情報を詐取しようとします。
被害に遭わないために絶対にリンクはクリックせず、どうしても気になる場合はブックマークしてある
リンクを使うかスマホアプリを
お使いになってログインするよう心掛けてください!
また、気が付かずにログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早くパスワードの変更や
クレジットカードの利用停止を行ってください。

★フィッシング詐欺解体新書★

日本語に難あり

聞きなれない運送会社の『UPSジャパン株式会社』から、なんとも不思議な件名のメールが届きました。

『荷物の状況を追跡するには,3度目の訪問(最終)の後、配達不能の貨物は荷送人に返送されます』
これって3回目の不在があった場合は持ち帰るってことでしょうか?
だとしたら『荷物の状況を追跡するには』ってくだりはおかしいですよね?…
それに『お伺いしましたがご不在でした。 貨物の配達または集荷にお伺いしましたがご不在でした』
って、なぜ2度も不在だったことを書いているのでしょうか。
更に言えば、『ご荷物を確認する』って荷物を丁寧語にするなら『お荷物』でしょ?
もっと言うと『服りたく』じゃなくて『賜りたく』です。
これらのまちがいから、この差出人はどうやら日本人ではなさそうなことが分かりますね。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずは差出人のメールアドレスから見ていきましょう。

差出人は
『”notice” <upstrack-info@globship.shop>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

UPSジャパン株式会社』と言う会社は実在するようで、この企業さんの公式ドメインは”ups.com
このメールアドレスにある”globship.shop”ってドメインはどなたのものなのでしょうか?


発信元サーバーは日本武道館に程近い場所

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

Received:『from wos (unknown [137.220.250.28])』

Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので
すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません
でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。

というわけで”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーに割当てられたものなので
このIPアドレスが差出人のメールアドレスにあるドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合は偽装となり特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”globship.shop”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

これがドメイン”globship.shop”を割当てているIPアドレスの情報です。
これによると”80.94.92.42”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
先程書いた通り本来このIPは”Received”のIPと同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”globship.shop”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!

Received”に記載されている末尾の”137.220.250.28”は、そのサーバーのIPアドレスになり
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に危険性や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

送信に利用されたのは、シンガポールの『Rackip Consultancy Pte. LTD』と言うプロバイダーです。

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、日本武道館に程近い東京都千代田区九段南付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。


リンクは英語のサイト

では引き続き本文。

UPS InfoNotice®(不在連絡票)

お伺いしましたがご不在でした。 貨物の配達または集荷にお伺いしましたがご不在でした。ドライバーがUPS InfoNotice(不在連絡票)を残しました。

再配達を依頼できます、必要な情報を入力のうえ、更新手続きをお願いいたします。

ご荷物を確認する
ご不便とご心配をおかけしまして誠に申し訳ございませんが、何とぞご理解服りたくお願い申しあげます。

■発行者UPSジャパン株式会社 (小口貨物・エクスプレス輸送部門)

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『ご荷物を確認する』って書かれたところに付けられていて
リンク先の『Nortonセーフウェブレポート』での判定はこのようにレポートされていました。

微妙ですね…
しっかりと詐欺サイトだと判断しレポートしてほしいものです。

このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”trackglobalup.shop”とこれまたUPSの
ドメインとは全く異なります。
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

中国福建省で管理されているこのドメインを割当てているIPアドレスは”195.133.52.94
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているホスティングサービスは『LLC Baxet』

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
今度ピンが立てられたのは『モスクワ』付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

Nortonセーフウェブレポート』での評価からすると、リンク先の詐欺サイトは、どこからもブロック
されることなく無防備な状態で放置されていると思われます。
そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。

アメリカの企業らしく英語の表記ですね。
黄色いビックリマークの付いたところに『Unable to Deliver』と書いてありますが訳してみると
『配達できません』と。
最下段にある『Schedule a Redelivery』は『再配達のスケジュールを設定する』と言う意味らしいです。
恐らくこのボタンを押した先で住所氏名等の個人情報を入力させられた上で、再配達料の支払いを装い
クレジットカードの情報を入力させられるものと思われます。


まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;


こういった詐欺まがいのブラッキーなメールは、本文中のリンクをクリックしないことが大切!
そしてOS付随のセキュリティーは充てにせず、必ず自身でセキュリティーソフトを導入し
防御することが大切です。
丸腰の方、躊躇しないで「ポチっ」としてご安全に!(*^^*)

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