『アダルトハッキングメール』『アカウントに関するお支払いについて』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

忘れたことに送られてくるメールとは

忘れた頃にしれっと送られてくるのが『アダルトハッキングメール』
10月に入った途端にまた新たな件名を使ってこのように送られてきました。

これは身代金を要求する悪質な脅迫メール。
受信者のメールアカウントを使ってデバイスにログインしトロイの木馬と呼ばれるスパイウェアーを
インストールし、デバイスのカメラとマイクを使い受信者の一人エッチ動画を撮影し保存したと。
その動画を拡散されたくなければ身代金としてビットコインにて$1450相当の仮想通貨を支払え
と書かれています。
もちろんそんなのは全てウソ！
メールアカウントなんかでデバイスにログインなんてできるはずがありませんし、第一にこの受信した
メールアドレスを扱うデバイスにはカメラもマイクも付いていないのでどうやったって動画なんて
録画できるはずも無いのです！(笑)

それにしてもこの身代金額、ご時世に反して若干値下げされたような気がします・・・(笑)

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] アカウントに関するお支払いについて』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

因みに差出人のアドレスは、受信者のメールアドレスが記載されていました。

発信元はポーランド

ではまず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

この”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報で
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字”37.248.178.103”は、そのサーバーのIPアドレスになります。
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

送信に利用されたのは、『Polkomtel S.A』と言うポーランドのプロバイダーです。

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのもポーランドで『ポズナン』と言う街付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

おまけ

アダルトハッキングメールには必ずセットで付けられているあるサービスがあります。
それは『サラダ』
もちろん喫茶店のモーニングセット文化が広がっている名古屋だからと言う訳ではありませんよ！(笑)
そのサラダとは『ワードサラダ』と言われるもので、メールの本文内に見えない記号や意味の無い言葉
などを潜ませて、受信先サーバーの迷惑メールフィルター機能を狂わせ受信者の元に悪意のあるメールを
到達させようとする試みです。

HTML形式で書かれていたこのメールもTEXT形式に表示を切り替えてみると、ほらね！

気持ち悪いでしょ？(-_-;)
一生懸命こんなことしても件名の見出しにしっかりと[spam]と付けられてしまっているので
うちのサーバーは突破できなかったようですね！

『ワードサラダ』に関しては、うちのサイトでも特集を組んでいますので
ご興味あればそちらをご一読ください。

『詐欺メールに付き物』「ワードサラダ」とは？

まとめ

このアダルトハッキングメールは、日本語ばかりではなくて、英語や韓国語などでも送られてくることが
あります。
その場合は、誰もわざわざ訳したりしないので問題ないと思いますが、こんなメールを受け取ると
アダルトサイトへ訪れていなくても、ハッとしますよね！(;^_^A
このような方法でハッキングされることは絶対にありませんので、騙されないようにご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;