『CAD作業効率化』画層管理をお勧めする件

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マスターファイルを利用

すいません、今回は仕事の話です。
ご興味のない方は読み飛ばしてください。

WerbeFabrik / Pixabay

前にも書きましたが、私heartは日々CADを使って空調や水回りなどの建築設備の施工図面を描いています。
建築関係の図面には大まかに分けると、予算を算出し工事金額を決めるために必要となる基本的な設計図と実際に工事を進めるにあたり各寸法や様々な情報を記入した施工図がありますが、heartは後者の施工図を主に担当しています。

この施工図の描き始めは、建屋の設計図となる意匠設計図と呼ばれるラフな図を元に工事の進捗に合わせ様々な情報を与え進めていきます。
意匠設計図はあくまでラフ図であるので正確性は薄く、工事進捗に合わせて打合せなどで調整された内容を反映させた建屋請負業者より配布される建屋の施工図「平面詳細図」(以降「平詳」)に差替える必要があります。
この平詳は性格上打合せ等により日々刻々更新されますので我々設備施工図担当者は更新された最新の情報に常に差替えることも大事な仕事。

ご存知の方も多い事と思いますが、CADの図面はレイヤーやシートと呼ばれる画層で情報を管理します。
画層とは、物に例えて簡単に言うとフィルムのようなもので、土台となる真っ新なフレームにフィルムを何層も重ね合わせ、時には不要なフィルムを非表示にしたり、時には100枚近くに及ぶ様々な情報を持ったフィルムを重ねて表示し色々なエリアの検討を進めます。

先に書いた平詳の差替えですが現場によってはかなり頻繁に行われますが、平詳には設備図に不要な物や必要ではあるが常に表示する必要が無いもの。
また、これは個人的な拘りかも知れませんが、表示色を統一したり、文字フォントやサイズを変更したりなど差替えにおいてかなり手間の掛かる作業が付随し「いただいた平詳によっては」1つのファイルを差替えるために半日程度の時間を費やすこともあったりします。
ここで「いただいた平詳によっては」と強調したのは意味がありまして、いただいた平詳の画層管理の手段が統一されていていつも同じ状態でいただけるのならこの作業も少しは効率的になるのですが相手があってのデーターなのでゼネコンや現場によってまちまちでこれがなかなか厄介。
例えば、設備図では消してしまいたい部品がきちんと画層管理されているなら画層ごと消してしまえば簡単ですが、そうでない場合はたくさんの部品を掻き分けて1つ1つ選択して削除しなければなりません。

少し前に聞いた話ですが、大手ゼネコンの場合も作図を外注に発注することが殆どなので画層の管理は書き手に依存するのでばらつきがあるそうです。

ただ、我々設備側が思うように理想的に画層管理はされていませんがそれ以上に細かく画層管理されている場合は割と対処のしようがあります。

私の場合、平詳編集という名称で平詳を設備図用に編集するためのマスターファイルを作成してあります。
いわゆるテンプレートと言うものです。
これにはファイルには予め設備図に理想的になるよう画層を作っておき新しい平詳が配布される度にこのファイルに平詳を読み込んで編集作業を行います。

もし平詳が設備図に利用できるよう理想的に画層管理がされていればマスターファイルで予め不要と思われる画層を非表示にしておいたり、単一色にしたい画層はBylayer(画層毎に色をや線種、線幅などを割り当てる機能)を設定しておけば平詳を読込んだだけで理想的に処理されるのです。

長々と書きましたが、日々毎日CADを使っていると同じ作業の繰り返しになることも多いためいかに効率的でロスや手数の少ないオペレートができないかと常に思っております。

マニアックですがこれからもCADに関わらず様々な情報をこのheartlandで共有できればと思っています。

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